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■ 【ショートストーリー】或る女の一週間
月曜日・・・
女は新しい朝を迎え この一週間こそ ステキな出逢いが訪れるよう 神に祈った
女はいそいそと町に出掛け 洒落た喫茶店で 落としたてのモーニングコーヒーを飲んだ
女は新しいドレスを買い 新しい本を買い 大好きなアネモネの花を 山ほど買い込んだ
火曜日・・・
女はアネモネの蕾にそっと口付けをし 期待に膨らんだ胸を撫で下ろした
「さぁ 昨日のドレスを着て 町に出掛けてみるわ うんとお化粧にも力を入れたから 5歳は若返ったかしら?」
女はにっこりと微笑むと ときめきながら出掛けて行った
水曜日・・・
女は一人の男を家に招待した 男は部屋に入ると 優しい声でこう呟いた
「なんて不思議な花だろう・・・ アネモネっていうの? この花は 何処となく君に似ているね 花びらの可憐さとは裏腹に、花芯は神秘的なほど艶かしい・・・・・・」
女は 頬を赤く染め 自慢のオニオングラタンスープと 温野菜のサラダと 子羊のソテーをご馳走した
木曜日・・・
女は この上なく幸せな朝を迎えていた 女の隣で 軽い寝息を立てている男の額に そっと口づけをすると 女はこう呟いた
「あぁ・・・ 愛おしい私の恋人よ・・・・・・、 何時までも 何時までも この幸せが続きますように・・・・・・」
女は まだ まどろみから醒めきれていない男の腕に引き寄せられると 再び 夢の中へと熔けて行った・・・・・・
金曜日・・・
アネモネの花が開き切った・・・・・・ 女はそれが少し哀しかった・・・・・・ 「花は蕾に限るわ・・・・・・咲き切ってしまえば、後は散るしかないのだもの・・・・・・」
男の腕に抱かれながら 女は 幸せと不安の狭間で 少しだけ泣いた
土曜日・・・
女はアネモネの花びらにまみれて目覚めた 女の隣では 今日も男の安らかな寝息が聞こえている
女はこの幸せを決して逃したくないと願った 二度と一人ぽっちは嫌だと
女は 上等なcoffeeを入れると、男が目覚めるのをそっと待った
日曜日・・・
女は淋しさに泣いていた 女の隣に もう男の姿は無かった・・・・・・ 女は溜息混じりにこう呟いた
「何時だってこうなんだわ・・・・・・ 幸せな日々なんて長くは続かないもの・・・・・・」
女は知っていた 愛の重さに 男が疲れ始めていた事を・・・・・・
月曜日・・・
女は新しい朝を迎え この一週間こそ 何かステキな出逢いが訪れるよう 神に祈った
女はいそいそと町に出掛け 洒落た喫茶店で 落としたてのモーニングコーヒーを飲んだ
女は新しいドレスを買い 新しい本を買い 大好きなパンジーの花を山ほど買い込んだ
そして、ふと・・・、庭に埋まっている男達に 想いを寄せた・・・・・・
by マキュキュ ※自分で書いてて怖っ!! (爆)
2002年07月17日(水)
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