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■ 【愛猫エッセイ】猫(ネコ)ならぬ・・・婿(虫こ)
この季節になると、私は、一つの大きな悩みを抱える。
我が家の一人娘である、黒猫の『ミュウー』が、外デビューを果たした頃から、毛虫だの、ゲジゲジだのを、家に引きずり込んで来ては、自慢げに私たち夫婦の前に、披露するのだ。
『お前は、虫しか捕まえられないのか・・・、ねずみを捕まえてくるからこそ、猫だぞ? これじゃぁ、ムコ(虫こ)ジャンかぁ・・・・・・』等、主人はゲラゲラ笑っているが、笑い事じゃぁない!! 私はその度、この世の物とも思えぬ悲鳴を揚げて、逃げ回る。
主人が居てくれる時は、主人に始末してもらえるからまだ良い。主人がいなきゃ、私が家から出て行く羽目になる。 主人が帰ってくる時間帯まで、友人宅か、パチンコ屋に逃避するしかないのだ。 あいにく友人宅が留守の時など、イヤでイヤで仕方ないのに (^^; パチンコやに非難する。
「あぁ・・・・・・、今まで、どれほど損した事か・・・・・・」
モニョモニョ系の虫が、大の苦手な私は、出て行く他に、術が無い。
所がだ・・・・・・。
主人に以前、『虫こ』等と馬鹿にされたのが、『ミュウー』は余程悔しかったのか、最近では、虫には一切見向きもせず、段々と、スズメやら、ツバメやらの、大物を捕まえてくるようになったではないか・・・・・・。 こうなりゃ、私はもう、完全に家には居られない・・・・・・。 『ぎゃッ!』などと、叫ぶ間も無く、財布とタバコとキーを持ち、車の中に篭城するか、例の外出だ。
かといって、ミュウーを外に出さなければ、ミュウーはストレスだらけになり、犬のトウボエのような声を張り上げ、外に向かって鳴きまくるか、障子をビリビリに破き回る。
今も、ミュウーは外に出ているが、私の家のすぐ前が、見渡す限りの田んぼの為、このコーポの庭木には、数え切れないほどのスズメ達が、戯れている。 時たま、ミュウーの「ケケケケケッ・・・・・・」という、獲物を狙っている時特有の、奇妙な鳴き声が聞こえて来て、私は思わず身震いをする。
(あぁ・・・・・・、頼むから、何も捕まえてこないで・・・・・・。) 私はそう、神に祈るしかない。
『虫こ』から、『鳥こ』になり、やがて本当の『鼠こ』になる日も、近いのではないかと、私は毎日、戦々恐々としている。
2002年06月25日(火)
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