睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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僕らは祠の前に立っていた。 六地蔵の末っ子は短い行程の間中しゃべっていた。僕がふってきたときのこと、みんなで運んだこと、などなど。 三叉路の手前までは椿の女性ときたことがあるが祠があるのには気づかなかった。 「ここは私がお預かりしております」花嫁狐はそういった。
ここより先に進むには僕は何らかの儀式が必要ならしい
「今夜はここで一晩お過ごしくださいませ」
小さな祠は実は中に入ると広かった。 お寺の本堂のようなかんじでひやっとした空気が流れている。
まだ昼だというのに薄暗い。 「大丈夫です。何があっても私がついていますから!」末っ子地蔵は仁王立ちで大きな声を張り上げる 「実は君が怖がっていない?」 「そんなことありません。私は兄様たちに任されたのです。きちんとお供しなくてはいけないのです。」そんなに力説しなくても・・・ 「わかったよ、じゃ、任すから僕少し昼寝してもいい?」 「もちろんです。安心してお休みください」なんていいながら結局彼は怖かったのかずっと「ねてますか?」とききながらおしゃべりを続けていた。 上の空でききながらなぜ儀式がなければ先に勧めないのかいろいろ考えていた。
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