睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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何がなんだかわからないうちに出発することに・・ 「では、三叉路まで私がお供いたします。」 「あ、きみは」嫁入りのとき逃げ出そうとした花嫁狐だった。 水干姿に衣を被き、なんだか違う人のようだった。 「私が居りますのであなたがこなくても平気ですよ。」 と横から六地蔵の末っ子が口を尖らせながら割ってはいる。 「いえ、雪さんは今のままでは三叉路の先に進めませんから。」 「・・・・・・・・・」不服そうな顔をして彼は黙った。先に進めないってどういうことだろう?主人を振り返る。 「雪さん大丈夫ですよ。彼女も六地蔵もついていますから。」不安な顔をしていたのだろうか、主人はそういった。僕は「雪さん」で、定着するようだ。と思った。
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