睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜 Copyright (C) 2002-2015 Milk Mutuki. All rights reserved
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僕は気を失い雪の中に埋もれていたそうだ。
「お客さんは雪の中に埋もれているのよほどお好きなんですねぇ。」 花の陽気な声で正気に戻った。
「ん〜、そうかも」 椿の彼女とわかれたあとのことは思い出せない。 思い出そうとすると吐きけがする。
花が言うには今日は大晦日らしい。 いつから倒れていたのか、いつから眠っていたのかそれさえもわからないほどに意識は混濁していた。
「あ、旦那さんが目が覚めて立てるようならお茶にどうぞっていってましたよぉ」 年越しにお茶って・・・なんて思いながらだらだら布団から出れずにいた
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