ホームページ
人物紹介



....................................................................................................................................................................
K先輩にしたことを、親心だと私は思うことが出来ませんでした。
私の行動が気に入らないから、原因と思われるK先輩に難癖付けたというようにしか考える事はできませんでした。

私が反抗期になったのは、中3の時でした。
毎晩のように母親と言い争う日が増え、ある日、母は言ってはならない言葉を私に言いました。

「お前なんか、捨てられたクセに」

私の産みの親は、私がまだ1歳の頃に離婚しました。
だから、産みの母の記憶が全くありません。
間もなく、今の母が来て。
だから、私にとっての母親はこの母親以外に居ないと思っていました。
母は、同じ年頃の友達の母親に比べると若く、そのせいか意地悪な所もありました。
父は、そんな母親を選んだ自分が悪いと、泣き言を子供達に言う事が多くありました。
父を悲しませてはいけない。
だけど、父に悪く言われる母も可愛そうで。
きっと母には苛立ちがあるに違いない。寂しいのかもしれない。
私は、物心ついた時には既に、私だけでも母の味方で居ようと思うようになっていました。

別段、私は無理にそうしてた訳ではなかったのですが、どこかで苦しかったのかもしれません。
だから、母のその言葉を聞いた瞬間に、私の中の何かが崩れました。

その時、私は二階の部屋から、階下に居る母親と言い合っていました。
気付くと私は、頭がボーっとした状態で階段を降り始めていました。
十数段ある階段の半ばで、私は我に帰り、座り込みました。

その日。
私が自分自身に誓ったことは、自分の感情を無くすということでした。
親を憎んではいけない。親を恨んではいけない。
そう、自分に言い聞かせながら、スケッチブックに「無私」と書きました。
自分を無くしてしまえば、負の感情が湧くこともない。
私は、自分がどす黒い感情を親に向けて持ったことが、怖くて怖くて仕方なかったのです。

当時、キレるという言葉はありませんでした。
でも、きっと。そういう状態だったのだろうと思います。

↑投票ボタンです。宜しかったら押してやってください。

途中で我に返れて良かったと。今でも心底思います。
K先輩が親にしたことで、私はあの時と同じように頭が朦朧とするような怒りを持ちました。
でも、この事があったおかげで、大声で泣きながらも。
私はもう一人の私が冷静に見下ろし、暴走を止めているような気がしました。
..................................................................................................................................................................


 < 過去  INDEX  未来 >


「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

My追加