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人物紹介


質問
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K先輩は、

「スキーって、お前行った事無いんだっけ?」

と言い出しました。
「ないです」と答えると

「すっげー寒いんだよ。こっちの比じゃねーぞ。」

とスキー場の寒さをなぜか説明し始めました。
その意味が分からず、ああ、そうなんですか・・と複雑な気持ちで相槌を打っていました。
そして、

「だから・・・いや、ほんとサンキューな。」

と言ってくれました。
私があげたセーターが、スキーに行く時に役に立つ。
そう言いたいのだと、やっと気付きました。
K先輩が、セーターをあげた事を後悔して、萎縮してしまっている私に気付いたかどうかは分かりません。
でも、一生懸命、嬉しいと言う事を表現してくれているのだと思いました。
少なくとも、迷惑では無かった。
それだけで、私は物凄く嬉しくなりました。

そして、ふと気付いたように

「お前、こんな時間に電話してきて、大丈夫なのか?」

とK先輩に聞かれたので

「外なんです。抜け出しちゃいました」

と答えると、

「こんな夜遅くに?大丈夫か?」

と本当に心配そうに言われました。
そして、「早く帰った方がいい」と言われ、私は電話を切りました。

結局。
私は、それが手編みであると、K先輩に言いませんでした。
言わなくても良いことなのだろうか?
悩みました。
翌日、友達に相談すると、

「タグがついてないんだから、普通、気付くでしょ」

と言われ、ああ、そうか。私があえて言わなくても。
昨日は気付かなくても、その内、気付くかもしれないな・・と思いました。
と、同時に。
気付いたら、K先輩は何を思うのだろう?
また不安になっていきました。

そしてもう一つ。
可能性としては、手編みだって気付いてて言わなかったのかもしれません。
気付いていたとしたら、それでも嬉しいとK先輩が言ってくれたのだとしたら。
それは、どういう事だろう?
わずかな期待もありました。

98%の不安と、2%の期待。
私は、どうしてもK先輩の気持ちが知りたくなっていきました。
年末までの一週間。
K先輩から連絡は無く、私も悶々とした気分のまま過ごしました。

そして、年末の30日。
ちょうど、両親は忘年会か何かで留守でした。
私は、決心をしました。


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K先輩は物凄い慌てたように、「一回、電話切っていいか?」と言いました。
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「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

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