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人物紹介


退部
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(今日は恋愛の話ではありません)

女子高生活にもすっかり馴染み。
夏休みには、部活の合宿があったりと部活も楽しくなっていった頃。
私の肩に、異変を感じ始めました。

元々、身体があまり丈夫では無く、その為に始めた部活でしたが、逆に筋が人より弱かったせいで負担が掛かりすぎたのが原因でした。
そろそろ、3年の先輩が部活を引退するかという秋頃。
あまりの激痛の為、私は病院に通うようになり、医者から関知するには時間が掛かると言われました。

通院代は、勿論親から貰って毎日のように通わなければなりませんでした。
ただ、温めるだけの治療なので一日500円。
でも、それを毎朝、母親から貰う事が苦痛でした。
嫌味を言われて、泣きそうになりながら500円を握りしめて病院に行った事もありました。
治して部活に出たいという気持ちより、親に気兼ねするのが嫌だという気持ちの方が大きくなりました。

もう、部活を続けられないということを、主将に伝えると部室にくるようにと言われました。
部室に呼ばれるのは、二度目のことでした。
一度目は、着替え様とすると、私の制服のスカーフがありませんでした。

「ちょっと、来なっ」

と迫力ある声に呼ばれて部室に行くと、私のスカーフを手にした3年生の先輩達が居ました。
私は、スカーフを縫うという、校則違反をしていたのです。
とても厳しい女子高だったので、制服の加工は一切禁止されていて、私は先輩たちに厳しく説教をされたことがありました。

その部活は、マネージャーも3年生がやっていて、そのマネージャーの二人が一番怖い存在でした。
その二人の先輩から、自分達が引退した後のマネージャーを引き継いで欲しいと言われました。
三年と二年の先輩達は、仲が悪く、彼女達二年生の中には任せられる人間が居ないからというのが理由でした。
私は何故か、二年生の先輩よりも、三年生の先輩に気に入られていました。
その時までは気付かなかったのですが、その一番怖いと思っていた先輩が特に、私の事を買っていてくれた事を知りました。

でも、運動部は年功序列です。
私が三年の先輩の申し出を受けるということが、二年生にとって面白く無い事はわかりきっていました。
だからと言って、好意で言ってくれている3年の先輩の申し出を、無下に断る事もできません。
どちらかと言えば、主将はその部活で一番強い人。絶対的権限は、マネージャーにある部活でした。
私は、少し考える時間を貰い、雑用をしながらも部活を続けることにしました。

翌日から、二年生の私に対する視線は、とてもキツイものになりました。
まだ三年生が居た事で、具体的に何かをされる事はありませんでしたが、少しでも笑っていたりすると嫌味が飛んできました。

「先輩に気に入られてるからって、いい気になってんじゃねーよ」

それは、私にしか聞こえない程度の声で。

徐々に、私は部活に出るのが苦痛になっていきました。
私の事に伴って、他の一年生の部員までもが、二年生に目の敵にされだしました。
私は、マネージャーにという申し出を断ることにしました。
あくまでも、部活は続けるけれど次期マネージャーは二年生にしてもらい、私は雑用係りで良いという事で。
でも、それも長くは続きませんでした。
3年生の卒業後、私たちと一つ上の先輩達との仲はますます悪くなり、口もきいてもらえない状態になりました。
おかげで、部活の練習自体がろくに出来ない状況になっていきました。

部活の顧問にも相談をしてみたりもしましたが、何の役にも立ってもらえず、逆に私たちを窘められ、二年になっていた部員全員で退部届を出しました。
1週間ぐらい話し合った結果、やはり戻って部活を続けようということになり、退部届の撤回を顧問に求めました。
でも、6名いた中で3名だけが、戻ることを許されました。
彼女達は実力のある子達で、全面的に謝罪をしたとのことでしたが、残り私とFちゃんを含めた3名は、顧問が許さず戻る事は出来ませんでした。
それに対して、私の父親が顧問に会いに学校へ来てくれました。
でも、何故自分の娘たちだけ部活に戻れないのかを聞く父親に対し、顧問は退部届を見せて、出したのだから本人の意思だと父親に言ったそうです。

私は、顧問のやり方が汚らしいと思い、大嫌いになりました。
そして、私の部活生活は、高二の春で終りました。

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「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

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