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人物紹介


再会
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少し話は前後します。

中学2年の時知り合い、卒業と共に別れる事になったK先輩と、私は偶然会った事がありました。
それは、A美達からの嫌がらせの最中の中学3年の夏休みでした。
母と買物へ行った食料品売り場。
買物袋を詰めてエスカレーターへ向う途中、たまたま目をやったレジに、K先輩の姿がありました。
K先輩も、母親と一緒に買物へ来ていたようでした。

私は、一瞬見間違いかと思い、エスカレーターに上がりながらもK先輩から目を離せずにいました。
正直、好きになってからというもの、まともに顔を見れない事が多かったので、自分の記憶に自信が無かったのです。
エスカレーターからもうすぐ姿が見えなくなりそうな時、K先輩も私に気付きました。
K先輩も、一瞬驚いたような表情をし、次にちょっとだけ恥ずかしそうな笑顔を浮かべました。
お互いに、母親に気付かれないように、軽く会釈をしただけの偶然の再会でした。

私はその頃、まだ自分で洋服を買う事など無かったので、服は全て母が買って来てくれてました。
その日の私の服装は、ピンク地に白の水玉模様のツーピースで、今思えば、フリフリの子供っぽすぎるものでしたが、その頃の私にとっては一番の外出着でした。
以前に、K先輩が突然きてくれた時、みっともない格好を見せてしまったという後悔があっただけに、私はリベンジを果たしたような気分になりました。
そして、高校生になったK先輩が母親と買物に来ていた事と、私を見て会釈をしてくれたことで、やっぱりK先輩は優しい人なんだなぁ・・・という印象が強くなった出来事でした。

K先輩からもらった色紙は、別れた後でも私の部屋に飾ってありました。
ボタンを持ち歩く事はありませんでしたが、大切に布に包んで仕舞ってありました。
私の中で、K先輩はいつまでも憧れの人であり、他にN君を好きになったりもしていましたが、そういう恋心とは別の存在になっていました。


中学を卒業し、私は受験に失敗したために私立の女子高に通う事になりました。
正直、高校生になって、K先輩とまたどこかで会えるんじゃないか?という期待が心の中にありました。
公立を選ぶ時にも、わざとランクを一つ落とし、少し遠い場所を選びました。
K先輩が遠くの高校へ通っているので、早い時間に自分も駅に行けば、偶然に会える可能性があると思ったのです。
でも、受験当日。私はもう凄い具合の悪さもあり、確実だと言われていた高校を落ちてしまいました。
そして、私の浅はかな想いは、殆ど叶わなく無くなったと思いました。

女子高に入った当初、私は物凄い落ち込みようでした。
受験に失敗した時のショックも大きなものでしたが、実際にどこを向いても女ばかりという現実を目の当たりにした時は、なんだか詰まらない高校生活になりそうな気がしたものです。
同じ高校に入った子は、私の他に同じ中学から2名いましたが、殆ど話をしたことが無い子達でした。
私の中で、A美達とのことから、女の子に対する苦手意識が強くなっていたのだと思います。
女しかいない集団の中で、自分が上手くやっていけるのか、自信がありませんでした。

入学した最初の頃、私は自転車で駅まで行き、途中の駅から友達と合流して通学していました。
雨の日は、バスに乗ったりもしていましたが、時間帯が違うのでやはりK先輩に会う事はありませんでした。
春の遠足などがすぐにあり、少しずつ私は女子高生活に馴染んでいきました。
部活は中学と同じ運動部へ入部しました。
最初は走らされてばかりでした。
中学の時の女の先輩達は、あまり部活に出ない人が多く、姉の友達の妹さんがいたりもしたので、楽な方だったのだと思います。
でも、高校の先輩達の中には、当然知り合いも無く、とても厳しく怖い人ばかりに見えました。
特に、3年生と2年生の先輩たちの仲が悪かったようで、そのトバッチリが来るようなこともありました。

毎日部活でヘトヘトで、余計な事を考える余裕も無く、一ヶ月が過ぎた頃。
やっと、道具を持って練習が出来るようになりました。
その日は、晴れていましたが、荷物が多かったので、私はいつもよりちょっとだけ早く家を出て、バスで駅に行く事にしました。

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偶然の二度目の再会でした。
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「恋愛履歴」 亞乃 [MAIL]

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