『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2008年05月12日(月) 粘土細工ぴえろ。

あるはずのオクスリがみつからなくて
あちこちをひっくりかえしてしまう、午前3時。
そんな時間に目をさましたことに、あたしがいちいち律義に反応する。
またかまたかまたかと
ああやっぱり駄目なんだと
あたしはあたしをしんじない。

失せものはにがてだよ。
あなたは捜すのを手伝ってくれない
あたしの頭は感情でぐちゃぐちゃになっていて
言葉がもつれて出てこない、無性に
不機嫌になっていくばかり。
通じる言葉で説明しろと言う、その態度がにくらしいくらいに
もつれる。

うまく吐き出すことをはやくおぼえたい。
感情も、思考も、食べものも
わだかまるこの濃いグレイの嵐を、抱かないでそとに
ふはり、と
溶かしてしまえる方法。ごまかしでなく。

だれかにぶつけながら意味がわからないままたくさんの手段で泣くのね
あたしのなかの箱をあけて暗いカーテンをひきさいて
……そうしたら、こわれそうな気がする
後生大事に持つものではないと、それはわかるけれど
あのドアのない人形の部屋

たとえばきみがそこをどうしてかこじ開けたとして
部屋はあかるくなるでしょう、そうして
なにかが修復不可能になるような
がらがらと、あたしが、あたしが、ぼくが
崩れて物言わないゴーレム。

・・・・・・・・・・

喪服が、似合わないよりは似合うほうが
いいのかな…とふと思ったけれど
鏡をのぞいたら知らない顔がみていた。
やや相応に大人びて、人好きのするしっかり者のだれか
黒いワンピース白いブラウスまとめ髪。目付きまでちがう、凛々と見てる

「なんだか、まっとうな人間、みたい」

人は猫をかぶるらしいけど
あたしは人をかぶるのか

ヒトの時間はやみくもにつきすすむ。
かえしてほしくても、あとのまつり。
霧のなかで夢中なうちに
みんな去ってた。せかいのじかん。
穿たれた穴のなかの出来事、うまく思い出せない、いつものように
ハイスピードあたしわらう頷く洗い物するわらう尋ねるお茶を出すわらう聞く。

がたごとゆっくりな各駅停車でいいのに
この出来事どもを刻み込むには、それでも
たりないくらいなのに


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真火 [MAIL]

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