ほんとうは自分はイラナイものなんだってなにかの誰かのぼくのカンチガイでいきていて息をして傲慢にも笑っていたりするけれどほんとうはいらないものなんだってそれだけが確かな刻印になりそこらじゅうに焼きただれる。あらゆるとき、あらゆる場所、見上げれば浮遊する巨大な岩山…マグリットの絵画のようにみえるきえない意味の、意味ない縄の焼き印を押されない羊は喰われたとてだれもさがしにくる義務はもたないね玻璃の文字はがらんどうの音をたて、胸の底にたしかに落ちた。三冬月三日、真火