ぼくがまだ傷口の淵にはんぶん足をとられたままでいるあいだあなたはゆっくりとむこうへまなこを強くもちすすんでいった、そのことがうれしくてうれしくてうれしくてうれしくてすこしかなしい。冬の雨はきらきらとひかるのだ。三冬月半ば、真火