みなみのしまから帰ってきてから やっぱり ごはんの味がしないんだよ たくさん食べると 吐きそうになるんだよ あのひとのことを思うと 自分に切りつけたくなるんだよ、、、
誰の本もよめなくて 誰の文章もよめなくて 誰の日記もよめなくて
ただ
ことばだけがかたこととはきだされていて
ベルトコンベアーに乗ったちいさくて四角い砂糖菓子のように かたかたと列は続きぽろぽろとおちていく
どこに落ちていくの ねえ
威勢だけで生きているよときっと わたしは言ってなきわらう あのひとはあたしに何もできなくて ただ、おろついている 肉親なんてはじめからいなかったわ だから、あのひととわたしが恋したひとたちだけが あたしの支えで生きる理由だったわ
そのひとつをなくすことがこんなふうに 破壊的なものだって考えたことがなかった ばかなあたしは これからきっとこうやって生きていけるんだと 信じていた
ずっと
せかいでいちばんにくんでいるひとがあたしの真横にいて そうしてその指と手でいつまでもあたしを壊していけるのに どうして あたしを助けてくれる手をもったひとたちはあんなにも みんなとおくにいるんですか かみさま それも、あたしが生きていけるかどうか 試しているその試験問題のひとつなのですか
全力でとりくまねばならない じんせい、というなまえの
砂糖菓子の端が欠けて あたしは 寒いなとつぶやく 裂けたらしい口の中が痛くて くすりをのむために上を向くことも 水を飲むことも ほんとうはつらい
でも笑いました
きょうも
相槌を打ってきょうもわらいました
できそこないだけど まだ、ここにいてもいい? すみっこにでいいから ここにいても あなたはゆるしてくれる?
夜
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