私はもう自信がない
あのぬくもりをおぼえておくことも
きのうがほんとうにあったということも
夢の中のように消したいと あなたが思うのなら
どうぞ消してくださいと ただ そっくりそのままを差し出すだけです
……私が ひとりでゆくことができるのはせいぜい いくつかある病院だけになってしまいました そのひとつに今からゆくので この文章にはもうピリオドを打ちます
おなじように ピリオドを くっきりと打ち そうして
あなたを守り続けてください 私を早く早く早くわすれて きのうを忘れて なにもなかったならきっと やすらかにあしたがやってくるからきっと
粉々になった思いははやく見えないところにしまおう。 実らずに終わった恋もまたおなじように 見えないところへ、鍵をかけて、どこかの水の流れのなかへ さぶりさぶりとはこばれてゆくのがきっと ただしいことだから
忘れない私を 忘れて
昼
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