よむひとのことをかんがえたら もう なんも書けんなと 苦笑して
あれやこれやの日記帳について、思う
私が消えれば 私が消えれば
楽になるでしょう?
恋人もともだちもとおくへ行ってしまった 否、わたしがとおくへきてしまった きずだらけのからだをつくり 南の島のさらにむこうに恋焦がれてそのまま ずんずんととおくへいくのを自分で止められず
懇願するなんて、ばかだよ 命令でいいのだ こんな、常識をなくして浮遊する幽霊には あしもとに縄をつけて縛り付けてそこにいろと いくら暴れてもそこにいろと 正気をとりかえすまでそうするのが、ただしいような気が あたしはしている
眠ったらきのうのことが夢になる 眠りたくない、眠りたくない、眠りたくない
だけど 目をさましているときにつきまとう このイメージや息苦しさや寒さや不安や そんなものから できるだけ周囲を傷つけないように逃げ出すには 眠るしかなくて
夢ではなかったと だれかおしえて 毎日のように飽きるまで このばかものに伝えて ぬくもりは嘘じゃないと あたたかさは現実だと いつか、ほんとうにおとずれるいつか おまえのところに戻ってくるものだと 誰か、くりかえし おしえて
鋭利な鋏をひらいて首筋あたりをすうっとなぜた ああ このままこいつを閉じてまるで鋭い槍のように 突き降ろしてやりたいと突いてやれと あたしのなかのだれかがささやいてささやいて
………。
こんなばかものが生きているの こんなばかもののまま生きている 気がついたら雨を見上げて かなしいと子守唄をうたい、 ちいさなあかい血をみつける
ひえきったからだに少しだけ暖かな血と熱い傷と
それがいちばん身近なんて あなたに言いたくなくて でもそれから逃げられない あたしで
ニライカナイには ぬくもりはありますか
うつくしくあたたかな空は みることができますか
もう何日青空を見ていないだろう もう何日 世界をみることを世界を食べることを 拒んでいるだろう
昼
|