『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2005年10月20日(木) 消えるもの、現れるもの

わすれていたきれいな音をきく

ちいさいころは、、、たぶん。からだになじむくらいに
ほんとうによくきいていた、きれいな音
反射的にカラダがうごいてステップを踏むくらいに
あたしのなかに住みついた


どうして忘れていたんだろう

そうして

どうして
もう
わすれてしまったんだろう

魔の時間がやってくる

くらいくらい

朝でも夜でもないの
ひとりなの
パパはいらない、あくまのかげをひきずってるから
ママもいらない、よそみしてあたしをいなくするから

四本目の足なくした
こわれた椅子だった
あたしがみつけた
もうかたっぽの脚は

どこへきえたの

あたしはここにいたんだろうか

あなたはちゃんとここに

ぬくもりをのこして消えたふりして
あたしがそれをおぼえてなくて

かききえたきれいな音みたく
そらなみだ、そらわらい、
あたしを守ってとねがう思いが
お守りばかりをふやしていく
こわいよ
ねえこわいよ
行くさきのない言葉がするりと飲み込まれた
そこにいるの、誰?
きいてはいけない
刃物もって近づいてくるから
話しかけちゃいけない
目を閉じて耳をふさいでできるだけちいさくなって

いないことになれ
いないことになれ

胸元を切って恋人にしかられた
なにがわるいのかあたしにはもう
わかることができなかった

首に突き刺したらもう
叱られることもできないと
そのことだけは、わかった

遠くへ行ってよ
こんなぐちゃぐちゃにたたきつけられる涙なんて
もう消えてしまってよ
どうしてあなたはあたしの毎日にそうやって
目覚まし時計みたいに登場するの?
たすけてくれる手のない時間をわざわざえらんで
ゆっくり近づいてきて覆いかぶさるの?

外が見えなくなる

たすけて



ちいさくかすれて



未明


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真火 [MAIL]

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