流れていくのを見て言う
あああたしって かなしかったんだ。
そうしてふっと落ちていく ことばがぽとりと 胸の中に落ちていく 角のとれてしまった昨日が 転がり転がり そこらじゅうに波紋をつくりながら 鳴らない鈴のように
涙。
あなたがやってくると わたしの涙腺はこわれてしまう もしくは ただしいかたちをとりもどしてしまう。
だからわたしは あなたのことが苦手 あなたのことが とてもきらい。
あなたがいないと生きていけないと 心のそこから信じてしまう瞬間なんて
物語の中にしかあってはならなかった からだには刻んではならなかった あんまりに鮮明で仕方のない そんな理不尽な疾駆なんて
融けかけたこれらをあたしはまた なんとかして凝固させなければならない それは気の遠くなるような巨大な作業で そして目を逸らすことさえできれば たやすく完了してしまうから
どちらがほんとうなのかわからないで凍りついていく かなしいということも 知らないでいいように
5月15日、夜
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