熱が出てくると歯が痛くて いいかげん歯医者に行かなくちゃいけないなあと思う。 この冬にありとあらゆる身体のケアを怠ったその報い、ということで 今わたしの歯はぼろぼろだ……虫歯は何本あるのか考えたくない。 左の奥歯ががつんと欠けているのは触って確認できる。 そうしてチョコレートが劇的にしみる、すごい、すごい!
……今までひどい虫歯というものをつくったことがなかったので 痛い痛いと言いながらその現象に感心しているのですね……苦笑。
長いこと通っていた歯医者さんが閉院してしまい すこし途方にくれているまま 歩いて2分のところに開院したあたらしくてキレイな歯医者さんは かなり偉いかんじの中年のおじさんが先生なのだそうだ。 ……いちばん苦手な年代である。 今まで通っていたところはおばあちゃん先生だったので 身体や口を見られるのも抵抗が少なかっただけです。
ひとりになりたい。 おくすり盛っておふとんにこもる。 強制的睡眠。 実家に帰ってくると体重が減る。 このまま減っていけばいい。
今年の八月十五日は黙祷をしませんでした。 オリンピックのニュースと戦争関係のテレビ番組を 交互にうつしだすテレビがいつもいつも点っている。 たくさんのひとが応援をしていて歓声をあげていて 家族はすごいねすごいねといつものように話しているが わたしには、さっぱり、 むしろ煩わしいと思ってしまい、 ぜんぜん平和の祭典じゃないし 感動しなくちゃいけないのか?と反抗していたりして 荒みようが手に取れて余計に意識をうしないたい。
戦争の話がきこえてくると中身はちっとも頭に入らないのだけれど なにかが心の中に流れ込んできてぼろぼろとくずれて泣きそうになります。 周囲からゆっくりつ塗りつぶされていく闇色とそのなかでひとりさみしい それであまり直視できない、 あらゆる八月の出来事。
ともだちの一人が「火垂るの墓」を見ると強烈に欝になるので あの話はきらいだと言っていたのをまざまざと思い出したりした。 元気ですかAちゃん。
やさしい服ではなくてまさしく 戦闘服そのものが着たくなり 黒い服ではないと外に出て行ったらいけないから 私はもう外に出られないのだとか 強迫観念的なせりふを吐いていた、 それを今でもほとんど信じている。 黒い服を持っていないので白い服を着る、 反対色にうずまろうとするのは、理にかなっていることだろうか。 わたしはどんどんしろくなる そうしてどんどん黒をもとめる、 落下してゆけばゆくほど 世界に対峙するときには 戦闘的な衣装が必要になるのはまちがいない。
嘘の皮膚なんていらないし嘘のことばかり着ていたら殺されてしまう。
……そういうわけでロリィタ服が着たい。
相棒さんにあきれられようが 人に後ろ指さされようが あたしが今求めている鎧は あれらの過剰な装飾なのであって 身体をいじめる服である。 甘ったるいと思っている人がいるかもしれないけれど それはたぶん嘘だと思うよ、 もっと残酷で切実なこころもちを 包み込む必要があって存在している 世界を睨みつけながらでも ぎりぎりの瀬戸際でそれでも落ちないために 身に纏うための そういう服には
外見どおりの甘さなんて期待しないほうがいいんじゃないのかな。
期待にこたえてなんて あげないと思うし その必要を かんじてもいないし 裏切りとも思っていないし ただ わたしは わたしを守りたいだけ 今わたしは わたしを守りたいだけ
………。
だれかがこのせかいにいることとか あのひとの投げかけてきたことばのこととか そういうことをぜんぶ忘れて よぶんなことを考えるのをあたまから追い出すために こっこのCDをエンドレスでききながら ミネラルウォーターでおくすりをながしこんで
だれも 起こさないでほしいとおもう この心には 嘘はないよ。
8月15日、夜 真火
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