『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2004年02月12日(木) 輪舞[ロンド]

いつか、ということばが嫌いになっていったのは
いつのことからだったか、もう、忘れた

でも、わたしは、いつか、を信じていたんだと思う

「時がたてば戻れなくなる」

それはあたりまえのこと。
そうして
誰かが生まれて、泣いて、笑って、そうしていつか
「いつか」
この世界に最後のさようならを告げて去っていくのも
あたりまえのこと。

……そんなあたりまえのことがわたしには
少し多すぎるような気がして、なりません。
早すぎるさようならを告げていなくなってしまった、
あのひとも、あのひとも、あのひとも、
そうしてまた、新しく去っていってしまった、あなた。
わたしとおんなじ病気をかかえて
わたしとおんなじお洋服を愛して

天国があるのかどうかわたしは知らない
神様がいるのかどうかわたしは知らない
でも、あると信じていたい
こんなときばかりは
それにかじりついて
空を見上げて(それはもうすぐ春の訪れることを確かに知らせていて)
かみさま、というなにかに祈らずにいられません

死ぬのは、恐ろしいです
それとおなじくらい
生きてゆくのも、わたしには
おそろしいです

………そんなばかげたもののあいだで揺れるわたしには何も資格なんてない気がするけれど

ただ

誰かの、引き剥がされるような「さようなら」を
問答無用で突きつけられたあとにいつもぽっかりと空く
くうはくの、
かなしいことも怒りもなみだもごっちゃになったまっしろなところで
わたしは
生き抜かなければならない、と
痛切に、そう思って

それでも明日がくるのは恐ろしいけれど
あなたがいないことをからだに刻んで
空白をまっすぐに見据えながら
つづいていく、あした、は

おそろしいけれど


……いつかあなたのことを誰かと話してそうして
思い出のひとつをいつくしめる日まで

わたしは



2月12日、深夜 真火


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