わたしってかわいそうなのかな と 埒もないことをつらつらと頭のすみっこで考えていた なぜどうして突然こうなるかといえば 日曜日に母と久しぶりに買い物に出かけた先で お店の人に「かわいそう」を連発されたからです
お嬢さん、見たところ、、、、アトピーでいらっしゃる? まあこんなに、かわいそうにねえ
はい、アトピーです 生まれてこの方25年分 気合いの入ったアトピーと手をつないで生きています でも、、、、 それって、そんなに、 かわいそうなのかな、、、、、、
と、ぐじぐじ言ってしまうのは そのお店の人が話しているあいだに おおよそ10回くらいも「かわいそう」を連発したからで そこまで言われると、割合に言われなれているわたしも だんだんおかしな気持ちになってきてしまいました……
その人もやっぱりアレルギー持ちで花粉症の時期が大変なのだそうです でもテレビのなんとかっていう番組でやっていた日本の何処かの地域のお水を 取り寄せて一日2リットル飲む、というのをやってみたら あらららという間によくなったのだそうです だからきっと大丈夫きっと絶対治るわよ、と その人は言ってくれました その治るわよっていうことばは励みになれる筈なのに なれないのは、たぶん その人の話しぶりと自信の持ち方のせい なんだか、ぐったり、してしまう
そんなに、かわいそうかわいそうなんて、連呼しなくてもいいのに
そうして 本当にアレルギーで苦しんでいる人ならば 自分によかったものが人にもいいとは限らないことを 実を持って知っていると思うから 自分の使った商品の宣伝を誇らしげにしたりなんて しないような気がするんです、、、わたしの勝手な 思い込みかも、知れないけど
アレルギーの程度には、軽度と重度ではものすごい差があるって 花粉症だって 悩んでいる人は多いから アレルギーに対する認知度はとても高くなってきたけれど その程度にはとっても差があって 市販薬なんかじゃなく、病院できちんと処方されたお薬でないと 効かないし、第一こわくて使えないとか、そういうことは たぶん、あんまり、知らないひとなんだと思った
くりかえされる かわいそうかわいそうかわいそう
けれどね それだけならまだいいと思ったの かわいそうと言われるだけなら それだけなら まだよくて
あまつさえ 母に向かって「早く治してあげればいいのに」なんて 何度も何度も言わなくたって、いいではないですか
自分がかわいそうと言われたのにはぐったりでしたが 母に早く治してあげなさいよと言っているのには 正直かなり腹が立ってしまいました。 話を遮って帰りましょと言いたいところで ぐぐっと我慢して黙って微笑んでいました
わたしは確かにアトピーだけれど 放置しているからこの状態なんじゃなくて たくさんのたくさんの治療法を試して、 病院にも通って、アレルギー検査もして 駄目な食べものや何かもいろいろと調べて、食事療法やなにかもして 一時期なんて自然農法の食事に完全に変えてもらったり、今だって 食べものにも着るものにも石鹸にも洗剤にも気を遣ってもらって そういう色んなことを小さいころから駆けずり回ってやってくれたのは 結局、父と母なんです
それをまったく無視しているように言わないでください そんなふうに、努力してないみたいに言わないでください すごくすごく頑張って面倒を見てもらって治療法を探してもらって その果てに、今のこのわたしがいるんです 今は確かに色んな事柄のせいでまた壁にぶつかっているけれど それでも、でも、すごくよくなってきているんです
にっこり笑いながらおなかの中でぶつぶつと 思いきり怒っていたみたいで 口に出したら怒鳴りそうな気がして そんな怒りを黙っていられるようになったのは おとな、に少しはなったということなのか、、、、、、 高校生の頃だったら間違いなく思いきり睨みつけていたと思い それがいいことか悪いことかわたしにはよくわからなかった
アトピーは目に見える病気で、皮膚病で、 たしかに状態の悪いときはとてもひどくて かわいそう、と思うだろう だけど
お買い物に出かけた日、わたしは 久しぶりに首のしつこかった出血がなくなって 襟のないワンピースを着てうれしかったのにな
確かに蛍光灯で見た鏡の中のわたしの顔は 赤くて、湿疹でぽろぽろ、していたし、 お化粧だって、していなかったけれど
でも、この間までできなかった口紅をして 新しい色が欲しいねなんて そんな話まで、できていたのにな
……目に見えるだけのことで、かわいそう、なんか決めるのは それはあんまり、素敵なことじゃない気のしている、このごろです
10月6日、深夜 真火
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