『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2003年05月19日(月) 訪ねてくるひと

家に、猫がつきました。

……かどうかはよくわからないけれども。

最近、
茶色がかった灰色の猫が毎日、朝に夜に
台所の掃き出し窓のところにやってきて
部屋を覗いては、ごはんをねだって待っています。
たまにちりめんじゃこだの魚のはぎれだのをもらって、はぐはぐと齧っていきます。
ひるごはんの残りのかまぼこは食べませんでした、
オナカはすいているけど好きな味じゃないけどオナカはすいているけど、みたいに
一口齧ったあと困ったみたく、ちょいちょいと前足で転がしてみゃあと鳴く。

味がついているのは嫌いなんだろう。

とりたてて可愛い顔というわけでもなくて、たぶん立派な野良猫で、
右の後ろ足が悪くて、関節が固まっているみたいに足ごと宙に浮いていて
それだからぴょこぴょこと歩く猫で
他の猫の気配を感じるとばばばっと逃げて消えるみたい。
しかしながら夜に見るこいつの目は淵みたいな緑色で
囲んだ光彩はぐるりと金色で、なかなかいいなと思う。

今日は顔をみていない。
午前がずっと雨だったから。

訪問猫。


一週間くらい風邪で、外には出ないで
くもりときどき雨。
お薬はぜんぶ切れたので病院に行ったらまた叱られるに違いなく
それともこれでやっていけているなら、このまま病院なんか行かなくてもいい?
と思ったりしなくもない、一方でほとんど眠れていない一週間。
やっぱりすいみんやくっていうやつは少なくとも入用なんだろうか。
むりやり目を瞑ったけど布団にあたる肌が痛くて目がさめた。畜生。
久しぶりに鏡を見たら眉毛がほとんど抜け落ちたみたいだった。

鏡は嫌いです。十日くらい平気で見ません。

大抵。自分がどんな顔をしているのかとかあまり詳しく知らないほうがいいから。
せめて普通に鏡をのぞきこめる人を素直にいいなあと思えるくらいでいたいから。

身だしなみに気を遣うとかそういうことじゃなくて(気を遣えたらいいなとは思う)
ただ外を歩くために
自分の顔のことあまり知らないほうがうまくいくこともある
と、わたしは思っている。

落ち込むのはひとりのときでいいもの。


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真火 [MAIL]

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