『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2003年03月22日(土) 魚にはなれないが

テレビのなかに戦争。
また春が来て
命日が来る。
コタツの上に、一周忌のはがき。

夏が終わってから、わたしは、なんにもつくっていない。
料理もしないし
写真も撮らないし
もちろん、絵も描かないし
食べて眠るくらいしかしてなくて
それ以外に
思いつくこともなくて

外に出れば、沈丁花の香りがきれいです。
いつかおとなになったら
住むうちの庭には、
金木犀と、それから沈丁花があったらいいと思ってました。
できたら蝋梅も。
みんな、香りの、きれいな花。

ぼやぼやしていたら冬が終わって
目をさましていないのに
個展ではなくて、「展示会」くらいの期日がまさに来週になってしまい
(時間はぜったいに止まってくれない)
遅すぎるとわかっているけど
撮りためた写真をひっくりかえしてアルバムを作っています。
オンラインには載せるひまもなく
粘着フィルムのくっついた台紙の上にべたべたと貼って
閉じ込めています。
なんで、こんなことをしているのか、よくわからないまま。

アルバムのフィルムをひっぺがすときのばりばりばりっという音のことがきらいで
だけどその大きな音を立てないと先には進めないから
真夜中に、ひとりでばりばりと騒音を出しながら
これも、本当は好きじゃないびたびたした糊のついた台紙の上に
写真をレイアウトしてことばを切り貼りして空気が入らないように
おさえながらフィルムを貼っていく。

わたしがどんどん孤独になる。

ものをつくるときは多かれすくなかれ時間が進むほど孤独になっていって
そうやってのめりこんでいく感覚がとても快感だったりしたものだけど
今は
逃げ出したいなあと思いながらやっているのが自分でよくわかる。
そうして、
あの夏に帰りたいなあと思っている自分をみつけて
ひどくぎょっとした。


おふとんにすべりこんで夢をみないで眠りたい。
睡眠薬を飲まないでも眠れるとか、そんなふうにまでいかなくてもいいから。


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真火 [MAIL]

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