『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2003年01月04日(土) 花火花

近づいてきた夏のおしまいを

ぼくがしらないわけではなかった

いつまでも続かないなつやすみ、きみがわらうしずかに

やわらかな靴のあしあと


流れていった水の底から

這い登ってきたいくつものあぶく

そのひとつになりかわってきみが息を吹き込んだ

ぼく という名前のうつろいやすさ


白い裾をひるがえして

去ってゆくように 近づいてくるように

そのどちらもが青い空のなかに吸い込まれて消える

たおやかな腕に囲まれて

まるい月をみていた、塀の上のちいさなバランス


ハナビ ヒバナ ハナビ ヒバナ


ぼくの育てたきゃべつの翼が

鳥のはばたきをその耳に移したなら

いつかきみがその腕で空を飛ぶことも

きっと叶う


ハナビ ヒバナ ハナビ ヒバナ




映画「月とキャベツ」より

まなほ


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

My追加