『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年11月27日(水) chai

昨日の晩もまたよくわからない不安と焦燥にかられて
お薬の山を睨みつけていたのだけど
結局、いつものように、飲みすぎを防ぐために
規定の量の7錠と半分だけを袋から出して、あとはしっかり袋にしまって
それからマグカップ2杯分のお茶を飲んだ

熱々のカモミール

錠剤は怖いとおもう
ぷちん、とシートから出して
口に放り込む
その行動は気がつくと
エンドレスになれてしまう
かんたんに

お風呂から出たあとどうしていいかわからなくて脱衣所でうずくまっていた
お茶を入れようと一歩踏み出してどうしていいかわらかなくなって
真っ暗な台所の床にべったりとうずくまって膝をかかえていた
どんどん体が冷えていくけどわたしはそのまま固まっていて次の動作がわからない

……そんな日はとくに、

眠る前のおくすりには、気をつけなくちゃいけない
それから洗面台の二段目においてあるあるかみそりにも


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今日の朝も朝じゃなかった
目覚し時計を止めて眠り込んで
目をさまして、また眠り込んで
何度もそれをくりかえして
起き上がったのが、午後4時で
外はもう夕方で

昼夜逆転というのだろうなと思います

暮れていく空を見てぐったりする
午前中は体も気持ちも重くてこわくておふとんから出ていけなくて
日が暮れると欝みたいなのがやってくる、、、、としたら
痛みとか痒みとかから解放されている残り時間をかんがえて
平静でいられる時間のあんまりのすくなさにかなしくなった

かなしんでいるばかりでも仕方なく
ホットミルクと一緒にすべりこんだこたつからからだを引っ剥がして
夏がはじまったころ枕とおふとんとを抱えて出て行ってから
長らくほったらかしになっていた自分の部屋にきちんと入ってみた
ぬいぐるみのカイジュウがほわほわ笑ってる部屋
わたしの部屋

夏のあいだに着られたお洋服がベッドの上に山になっていて
窓を開けたら空気がよどんでた
ここに入るのがずっとこわかった
片付けなくちゃいけない現実と同じように
片付けなくちゃいけないお洋服が積まれているから?

でも今日わたしはドアをあけた
そうして窓も開け放った
いくらかの服をかたづけて
いくらかの洗濯物をよりわけて
ベッドカバーをひきはがして

ほんの1時間半、の、ちっちゃな行動
部屋はたいしてきれいにはならなかったし
あいかわらず、埃っぽいままで、
たぶん喘息だの湿疹だのを誘発する部屋なことはまちがいなくて
そこで眠ることは今日の夜もできそうになかったけど

ある意味、とてもとても落ち着いて平和だった
前の冬の夜のことを少しだけ思い出したよ
小さなクローゼットを開けながらお洋服をよりわけながら
枕もとの電気スタンドのあかりの下で本を読んでいたあったかな夜のこと
寒いのと怖いのに丸まっていないでも、ひららかだった夜のこと
この部屋の中の夜の時間

もしそれが、まだ残っているというのなら

わたしはこの夏の残り物をかたづけて
はやく冬の中に入り込んでしまいたい


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夜、片付けのときに出てきたチャイを入れた
春先まで一緒に働いていてなかよしだった派遣のお姉さんが
異動のときに辞めることになって、お別れのときにくれたもの
もらったものはうれしかったけど、お別れするのはさみしかった
そのまま仕舞われていたのを、今日、出してきて
うまれてはじめてチャイなんて作ってみた

水色のやかんにお湯を沸かして、ティーバッグを入れて
5分間、ぐつぐつと煮立てて、お湯と同じだけの牛乳をとぽとぽと入れて
かきまぜながらまた5分かそれくらい

できあがったお茶は、濃いキャラメル色で
やかんいっぱいのそれを
母と兄とわたしのカップに注いでも、まだ残るくらいたっぷりで
ものすごく熱くてミルクが濃かった


紅茶のにおいの湯気だった



まなほ


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