『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年11月22日(金) おやすみなさい

眠る前
まっくろなくうかんに向かっておやすみなさいを言う
それがわたしの挨拶で
誰にも届くわけでもない

手に負えないことが増えたので
このたましいは簡単にぺしゃりとつぶれた
つぶれたのでしばらくおやすみをいただきたく思い
だけれど、こんな片隅でひっそりと
挨拶をしたところで、それはやっぱり
だれに届くのだろうとばくぜんと思っていた



紫蘇のお茶が薫りたかく味も濃くて
あたらしい詩のうまれる気配はどこにもないから
わたしはこの息が吐き出される先のくうはくを
不安というものにいろどって時間を過ぎさせているところ
つかみどころもなくみんなながれた
赤い血とおんなじに
みんなながれた

詩の要請

ことばの要請

たくさんのひとがわたしに向かって言葉をかけた
かけられた言葉をさがしてひろいあつめているうちに
たくさんのひとが行ってしまった
ゴミ箱行きにしたたくさんの小さな手紙

同じ数だけの絶望
おびただしい数にふくれてわたしを占拠するもの、それがことばことばことば
死んだことばは黙ってわたしを縛りつける
ひきずり落とす、向こうのほうへ
向こうのほうへ


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深夜、ひとりで、「風花」をみた

再生したい、と

思った



まなほ


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