くうはくが不安をつれてきて
ぼくのなかみはうつろになる
うつろとは、はたしてしろいのだろうか
おしゃべりをする人形のようにぼくは黙ってことばをつむぎ
そのころに
背中からすべりおちたひとつふたつのしずくは
そっと
銀のいろをした糸をぶつりと切り裂いて
ものも言わずに融けていった蒸発する固体
どこへいく
どこへいく
どこへいく
しゅうしゅうと吐き出されていく白い繭
ぼくをすっぽりと包み隠したのならば
微笑め、うっすらと
あおざめたあのそらの色の唇
寒さにふるえながら痩せた肩を打ち鳴らした太陽の陽射
あたたかさを求めて小鳥は空に落ちた
まっしぐらに飛び散ったましろの絵の具
あなたがほんとうは白でさえなかったことをぼくは
今では、知っていると
遠い冬枯れのそらの向こうで
いつまでも泣きつづけるひとみを見ていた
ぼくは
今では、知っていると
まなほ
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