『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年11月11日(月) 小鳥

夜に生きています
本当はいけないんだけれど
夜に生きています

あけがた近くに怖いものが落ちてきて
今日は、結局、一日中眠っていました
9時にかけた目覚し時計をこの手で止めて
うつらうつら、何度か起きて
それでもまた眠って

何か囲われた中にいるのがいちばん安心で
この温度とかたちを抜け出したら不安が落ちてくるように思えて
別に、わたしが凍り付いていたら時間が止まるわけではないのに
眠る姿のまま、凍っていました


夢をみました

流れ落ちるたくさんたくさんの紅い布の夢

誰かを救い出そうとして死んでいく誰かの夢
そうして誰も帰ってこなかった、と
モノローグみたいに響き渡って目がさめた

また眠りに落っこちていけば、夢をみる

手の中で、小鳥が死んでいく

くちばしの折れた小鳥が
天から落下して
わたしの、左のてのひらのなかで
塵になっていく夢


きざはしは
こなごなに別れて
埃っぽい冬の夕暮れに
外の世界は満ちていた


今晩は、キャラメルミルクのお茶を飲もう。



まなほ


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