夜に生きています 本当はいけないんだけれど 夜に生きています
あけがた近くに怖いものが落ちてきて 今日は、結局、一日中眠っていました 9時にかけた目覚し時計をこの手で止めて うつらうつら、何度か起きて それでもまた眠って
何か囲われた中にいるのがいちばん安心で この温度とかたちを抜け出したら不安が落ちてくるように思えて 別に、わたしが凍り付いていたら時間が止まるわけではないのに 眠る姿のまま、凍っていました
夢をみました
流れ落ちるたくさんたくさんの紅い布の夢
誰かを救い出そうとして死んでいく誰かの夢 そうして誰も帰ってこなかった、と モノローグみたいに響き渡って目がさめた
また眠りに落っこちていけば、夢をみる
手の中で、小鳥が死んでいく
くちばしの折れた小鳥が 天から落下して わたしの、左のてのひらのなかで 塵になっていく夢
きざはしは こなごなに別れて 埃っぽい冬の夕暮れに 外の世界は満ちていた
今晩は、キャラメルミルクのお茶を飲もう。
まなほ
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