『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年10月10日(木) ふつうの生活


スティルライフ、
それを望んでた。


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ふつうの生活ってなんだろう。
そう思いました。
病気といっても、病気にもなりきれないので
あまり自分が病人だとは、いつもいつもは思っていないのだけれど
昨日まではすべすべで、産毛さえやわらかで
このままうまくいけるかな、と思ったこのからだが
ほんの数時間でまっかに腫れあがって空気に触れるのさえ痛がるようになると

息をしていても
目をあけていても
何をしていても

びりびりとつづく痛みからは逃れられないので。

欲という欲はきえうせて、ただ
イタイだけでからだじゅうが満たされる。
ほかのこと、なあんにも、ない。
イタイイタイイタイ。
それだけ。

明日はバイトの日。
だけど出かけられるかわからない。
目を覚ましたとき、自分がどんなふうな顔で、どんなふうなからだで、
そこにいるのか想像がつかない。見当もつかない。
およそ、賭け事ばかりに乗ったみたいな「明日」。


ひとつには、それだから、
わたしは、眠るのがこわいのかもしれません。


目覚めたときに待っているだろう「未知」が、こわいから。


ただばらばらと落ちる皮膚の残骸が確実に
わたしを汚れたものに感じさせて追い込んでいきながら
世界から消えたい消えたいと、このからだを捨てたい捨てたいと、
おかしな方向へ走っていかせようとするのは
かなしいかな
確かなことでした。


たったそれだけのことに空まで舞い上がったり地面の奥深くまで落ちたり、
単純にふりまわされる自分が、まだまだよわいとかんじて
だけれども、わたしはそれをどうしようもなくて、ただ
今日もおふとんをかぶってふるえていました。

イタイイタイイタイ。
イタイイタイイタイ。


そうして一日が暮れる。



スティルライフまでの道のりは、まだまだ、遠いようでした。





まなほ


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