いまのわたしは、日陰にいます。 だから
・・・・・・文字よりの影響をうけやすいかたは、読まないことをおすすめしたいです。
とくに性的な葛藤を抱える方には。 それから、わたしというひとりのにんげんに、 なにか幻に似たような思いを抱いている、ひとにも。
それがなんであれ、 わたしは、あなたをぶちこわすのがこわいです。 壊れたあなたのところまで出かけていって ごめんなさいと、釈明とを、することはできないから・・・・・ このことばの行く末だけは わたしは責任をもつことが、まだ、できないから。 そうして、おかしいことだけど 逆にこれから綴る文章を読んで、ただふつうになぐさめのことばをもらったとしたら わたしはもっとずっとずっと深い日陰に入り込んで しばらく出てこない、ような気が、します、、、、、、。
混乱してぐしゃぐしゃな頭の中でわたしは綴ります。
ほんとうはお墓の中までもってゆこうと本気で思っていた、5年も6年も思っていた そのことがらの、きれはしを、なぜか、、、今日は。
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わたしは男のひとがきらいです。 意識したのは高校生のときでした。
「せかいじゅうでいちばんきらいなひとは、パパ。」
ある日さらりとわたしから流れ出したせりふに、友達はおどろいていました。 でも、わたしにはもう打ち消せないことでした。 その、記憶から抹消されていた「じけん」を思い出したのは、大学に入ったあと、 夏休みのレポート課題の参考文献を読み続けていたときでした。 今思えば、わたしは、ひきよせられるように、そのテーマを決めたのかもしれません。
「ACとCA」
タイトルがそうつけられた、おおよそ2万字にもわたるレポート。 吐き気がするような、寒気がするような、 自分のなかの汚い血液に気がついて我慢ならなくなったようなきもちで おなかをかっさばいてやりたいような衝動にかられながら 気分の悪さに震えながら。文献を読み続け、書き上げたレポート。
「アダルトチルドレン、チャイルドアビューズ」
CHILD ABUSE。 いわゆる、児童虐待のことです。
虐待といえば、すぐに 暴力をふるうことを連想しがちですが、正確には 身体的虐待・精神的虐待・ニグレクト(養育放棄)・性的虐待 この四つに、大雑把にわけられます。
わたしはおそらく、そのうちの3つを、間接的に、あるいはまさに、受けながら 育っていました。文献のなかから立ち上がってくるいろいろな著者の思い出が わたしの、消えていた記憶を、思い出したくもなかったことを きちんと、突きつけてきて、くれました。
性的虐待。 肉親からの、それ。 わたしはそれを憎みます。 はげしく、憎みます。 そしていつか少女らしくある自分が憎らしくてたまらず 教室のほかの女の子たちのほっそりした体型をみるたびに じぶんのふくらんでゆく胸を、まっしろな腿を、憎みました。
これさえなければ これさえなければ
スカートをはかなくなってゆく、わたしができあがりました。 可愛らしい服、とは無縁のものを好むようになってゆく、わたしができあがりました。 男の人を生理的に受け付けなくなってゆくじぶんが、どんどん強くなってゆきました。 お酒に酔うという行為をも、また、同じように。
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恋人はいますが セクシャルな意味では、あまりそういうふうに思ったことはありません。 鬱病のお薬をもらうようになる前から、その傾向はひどくなって、 そこに、わたしの存在を感じられたらそれで充分、満たされるくらいになりました。 免疫系と自律神経系にがたがきているわたしは、どうしても、 いつになっても冷たい肌で、体温も低くて、ひとりでは、ちっともあたたかくなれない。 そのくせすぐに熱を出しては、倒れる。 じぶんを勇気付けるためにあつめはじめたお守りにかこまれて暮らしていて そうしてそのなかで、いちばん大きくてあったかいのが、 たぶん、そのひとで。
「恋人」とよぶにはなにかちがい、 「相棒さん」、とただ、呼んでいます。
たとえば 十日間、あわない毎日が続けば わたしはそのひとの顔をみることができなくて 手をつなぐ、という、唯一の、あったかな体温を感じることも、 うまくできなくなったり、します。
24時間いっしょに居続けて、はじめて 警戒心がまっさらにとけてなくなって、 言いたいことが気がねなしに言うことができて、手をつなげて、 まっすぐに顔をもることができるような わたしは、そんなふうな、手のかかる「こいびと」です。
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……これ以上は、書くことができなくなりました。 自分からはじめておいて、ごめんなさい。
早朝の戯言です。 真剣な、戯言、 これでまたなにかがこわれるかもしれないと思いながら でも、綴ってしまった、わたしの「きのう」。 まるで昨日のことみたいに悪寒の走る、もう12年も前の、「きのう」の日々。 混乱のまま睡眠薬を飲み損ねて眠りについて、3時間ほどで目がさめて ふたたび眠りにつくことができずにお茶を飲もうと台所へゆけば ごろりと横たわって眠っていた、父親の姿。全裸の姿。
瞬間、よみがえってきた、酷い、きのうと、嫌悪感。
・・・・・・もう、なにも、いえません。
もし蹴り殺してやりたい人間が居るとすればきっとそれはそこに横たわってる男だと 思いました。どっかに行ってよと半泣きで頼みました。父は聞く耳をもちませんでした。 わたしのことばなんて、昔からうわのそらで、右から左へと抜けていく そんなひとで、、、、、、期待なんて持たなかったら、もうこれ以上 わたしは傷まなくてすむんだろうか。 自分が汚れているというこのどうしようもない嫌悪感に。 おなかを切り裂いてやりたいという、衝動に。
運良く、深夜にもかかわらず、外から帰ってきた弟が 父親を無理矢理かついで寝室へと運んでいってくれました。
当面の危機は、去り、
うすくらがりに残されたわたしは、ただ 自分を思い切りがんがんとなぐりつけて、それからはさみの刃を、腕にあてて 見つめていました。 きらないで きらないで ただ、見つめているだけで我慢しようと、懸命に、おもって。
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こんなに汚れていても、わたしは生きていけますか。 苛まれて切り刻まれていても、暮らしていけますか。
なぐさめられても、同情されても わたしのこころは麻痺するか、死んでいるか、 あるいは余計に傷むかで。
だから。
わがままなお願いだけれども、 こんな、ひたすら昨日に縛られてるわたしの掃き溜めのような文章、 もしもなにか、声をかけてやりたいと、思ってもらえたら そうして、声に出すことばがみつからなかったら
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ことばではなく 数字で。
それでもう、じゅうぶん、です。
安心して、暮らしていける場所に飢えている、わたしには、もう それだけでじゅうぶん、こころづよくなれる気がする。
・・・・・・ながい文章、ここまでよんでいただいて、ありがとうございました。
2002年8月17日、深夜〜早朝 まなほ
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