『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年08月08日(木) あなたを探してます。

なつやすみ。

必死にならなくてもいいと足を投げ出して、からだを投げ出して、
ついでに、気力も投げ出して、
相棒はどこかに行っちゃうし、
お医者は薬では治せないと言うし、
初回の診察であれだけ心理学をけなしたくせに
今は、カウンセリングを薦めるらしいし

だれにも置き去りにされたような気がして
日々、勝手に生きていた。
じぶんのなかだけ見つめていた。

そうしてふと気がついたら「わたしが」誰かを投げ出していたことに気づいたので
わたしはものすごく恥ずかしくなった。

取り返せないものがいっぱいあるから
できるだけ力をこめて、注意を払って、握っていようと思うのに
わたしの手は小さいから
それでもとりこぼしてしまうと、知っていたのに


「また。なくした?」


………今から追いかけても、遅いだろうか。


いつもいつも、いつも。

忘れてしまう。

自分の手が小さかったこと
置き去りにしたものがいつまでも、その場所で、
わたしを待っていてくれるとは、かぎらないこと
わたしを取り巻くものはいつもわたしと同じに揺れ動いて
そうして流れていくこと


「あなたを探しています」


いつも。
喪失に弱いわたしはなくしたものに気がついてから、泣くんだね。
涙が出ないのに、泣くんだね。
自分のなかがかなしいと気づけていないくせに
泣くんだね。

器用だね、じぶん。


そう言って、嘲った。


朝。そろそろひるどき。
この前に眠りから覚めてから、そろそろ19時間。
何日も、起き続けて、夜も朝も昼も、わたしはここにいたくせに、
今だっているくせに、それでもまだ、よくわかっていなかったらしい。


わたし、ずっと、偉そうだった、

ごめんなさい。

ごめんなさい。



まなほ


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真火 [MAIL]

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