『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年07月30日(火) ぼくたち(?)の失敗…

1. 無知による失敗


郵便局にゆきました。
ひさしぶりの、約束のない、ひとりで選んだ外出といえる外出でした。
どうしたらよいのかよくわからず、
ただ、郵便振替をするという義務がわたしにはあり、
そしてその振替には午後4時というタイムリミットがあり、
時計はすでに午後3時48分という微妙な時間を指していて
とにかく行かなきゃという思いだけは突っ走っていたので
着替える洋服一式は横に積んだし、髪もいちおう束ねましたがやはり怖くて外に出てゆけず
途方にくれていました、

ら、

電話が鳴りました。

相棒からの電話でした。

そこでわたしは聞きました。

私「ねえ今から急いで郵便局に行ったら4時までに間に合うと思う?」
彼「え?え?え?えーと今何時?」
私「3時50分!」
彼「……ダッシュで行けば間に合うかも」

そこでわたしはダッシュしました。


  ところで彼の電話の用件はなんだったのでしょう。
  必要に迫られてとうとう買った携帯からの初電話だったはずなのですが……
  そう、今まで彼は携帯電話を持っていなかったのです。
  あ、わたしもですが。
  今時めずらしいカップルだったんですけどね。
  その歴史には今日しっかりとピリオドがうたれたようです。
  というわけだから、これを読んだら携帯の番号を教えてください。
  いやべつに教えてくれなくてもいいけど。>彼。


着替えて自転車に乗って出かけました。
混乱の度合いを示すがごとく、
上半分がレースでできたマオカラーの白いブラウスに
ちょっとレーシーな薄いグリーンのベストをひっかぶり、
白のコットンの三段ティアードスカートをはき、
なぜかその上に青の小花模様のフレアギャザースカートを疑問ももたずにはいたため
裾からちらりとピコフリルをのぞかせつつ
当然足元はダークレッドのストラップシューズ、という
装飾華美(?)な格好でした。


  参考。
  最近、すれちがう人の視線が、上から下まで移動することがきわめて多くなりました。
  お洋服チェックをされているとともに別世界のものを見ている目つきなのは
  わたしの気のせいであることを個人的には願いたいのですが、
  友人知人口をそろえていわく、まったくそれはわたしの願望だそうです。
  そしてみんなしてこう言います。

  友人「半径1メートル以内が別世界」
  後輩「背景が北海道の花畑ですよ」
  相棒「軽井沢に行け」
  上司「まなほちゃんって赤毛のアンみたいよね」
  主任「ああわたしもそんなひらひらが着たいーー!(←因みに後日着てきました)」

  サトくんのお葬式のためにわけもわからずかなしいきもちで喪服を着たとき、
  かなしいのに喪服が異常に似合ってまるで教会のシスターのようだと言われました。
  尼寺に行け、と言われないだけわたしは感謝すべきかも知れません。
  いやはや、もう、まったく、、、。


ちなみにタイムリミットには間に合いませんでした〜♪
振替をしたかったのですが、郵便局についたのが、午後4時5分だったのです。
郵便振替の取扱い時間は4時まででした。

狭い郵便局のなか、場違いにおじょうさんな服を着たわたしは
棒立ちになってつぶやきました。

「……まにあわなかった」

きっと、かなりものすごく情けない顔をしていたんだと思います。
もしくはかなしそうな顔を。
4時でオワリなんですよ、とその郵便窓口の長身のおじさんは申し訳なさそうに言い、
そうですよねオワリですよね、、、とわたしはつぶやき
ハイ、こんどまた出直してきます、、、、と言いながら、
ふとふりかえり、
せっかく久方ぶりに外出できたのだし、質問と確認だけでもせめてしておこうと、
おずおずと窓口に近寄って、口座番号の書いてあるメモを差しだしました、
と、
局員さんはぱっと明るい顔になり、そして頼もしくも言ったのです。

「あ!ぱるる口座でもいいんですね?それじゃあそっちでできますからやりましょう!」

そして颯爽と機械の横に立ち、
振替のすべてを教授してくれたのです……

ありがとうございました。
ほんとにほんとに
ありがとうございました…。
おかげでひとつかしこくなれました。

だって。
ぱるる口座というものを使うとキャッシュディスペンサーで送金ができたのですね、、、
これでもう、わたしは、
午後4時までに必死になって炎天下に出かけて間に合わなくて哀しく日焼けしたり
待ち合わせの時間までに必死になって書いた送金用紙を振替専用機械に吐き出されて
窓口にお回りくださいなどと機械の合成音にそっけなく指示されたり
そしてその窓口は4時までで無人になっていてとぼとぼと待ち合わせ場所に向かったり、


しなくても、よかったんですね、、、、。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


2. 世界にたぶらかされる失敗


突然ですが、
わたし思うんです。

いくら、からだやらこころやらのあちこちが壊れていて、
おうちに半ばこもりきりの療養とは言っても
調子がよいときだけバイトに行って雑誌の面倒をみればいいと言っても
だから週末お出かけした翌日の月曜日はオヤスミになってよくっても、
いともかんたんに世間にたぶらかされていてはいけないと
断固思うのですわたしは。わたしは。
ましてカレンダーなんて紙ペら一枚にたぶらかされるなんて、
本当にほんとうにあるべきことじゃない!
と、思うのです。


「ですが。」


どうやらワタシ、その紙切れ一枚にもてあそばれてしまいました。
思いっきりたぶらかされてしまいました、
しかも一週間という長きに渡って
ああほれほれとお手玉のように
わたしはあなたの思う壺……。
嗚呼もういっそ目の幅のナミダでも流してしまいたひ。

だってだって、
今日、夕方、
正確には3時50分。
その例の郵便局に行かなければならないぎりぎりのタイムリミットに慌てながら
大混乱の支度をしつつ、ふと窓の外をみてヒトリゴトの自問自答をしたんです。


「ああ、こんしゅうで、しちがつもおわりなんだねえ」

「え?」

「こんしゅうでおわり、、、こんしゅうでおわり、、、」

「なにかわすれている気がする、、、なんだろう、、、なんだろう、、、、」

「・・・・・ま、いっか。」


思えばこのツブヤキと予感(と、それにつづく「ま、いっか」)が
すべてのあやまちのはじまりだった、、、
じゃなくて、
あやまちが陽のもとに晒されるはじまりだった、、、。


そして、今日、午後9時のワタシ。
久しぶりに退院した友人から電話をもらい
きゃあきゃあと電話をしていました、が、
その最中に、ふっと彼女が言いました。

彼女 「うん、いまはなつやすみなの。だってもう8月になるもんね」

わたし「………エ?」

   (カレンダーを見上げる)

わたし「ねえねえ、もしかして7月って今週でおわり?」

彼女 「うんそうだよー、はやいよねー」

わたし「……ねえ、今日って何日だっけ」

彼女 「えーとね、29日!」

わたし「…………………………………  →  →  →  →  [(◎▽◎)] (無音悲鳴)」




そりゃねいくらねわたしの人生は日々4コマ漫画の気があるとは言っても
カレンダーに騙されるとは思わなかったですよ嗚呼そうですよお。
時計にたぶらかされても車内アナウンスにたぶらかされても
忘れっぽい教授にたぶらかされてもだけどそれでも
八月のカレンダーを七月だと思い込んでながめつづけて
今週はゆっくりカラダを休めて来週の一週間をがんばって通い詰めよう♪
そうしたら来月もある程度は収入が得られてお洋服代も出せるかも♪
などと思い続けるなんて思い続けるなんて思い続けたなんて・・・・・・。


………なんて「まぬけ」なんでしょう。


と、いうわけで、私の今月のお給料(=来月の生活費?)は
5万円強のはずだったのに
カレンダーにたぶらかされたおかげで
半分以下になることが決定しました。

自分に合掌、あるいは万歳。

そしてどうなる洋服代。


いや、あの、昨晩、
来月の収入をあてこんだうえで、愛用するフェリシモで注文してしまったんですね、
民族調チュニックとか小花のトップス二枚セットとかシックにチャイナな上着とか
皮膚病の人にやさしそうなキャミソールとか………ははははは(うつろな笑い)

……ドウシヨウ。


とりあえずココまで!以下次号!! (嘘。以下来月。)


とりあえず明日とあさっては
這いずってでも図書館に行かねば行くこと行くぞ行くんだ行きなさい、「行け」、
と自分に言い聞かせるまでにほぼパニックを起こして家中をうろついて
なにがなんだかわかりません記憶がないと混乱しまくりオクスリを飲んでしまう
困ったちゃんな、わたし、、、、、。
記憶はとびまくるし通った跡には置き忘れ物がいっぱい、、、
メガネやお薬のふたを探すのは日常茶飯事にしても、
このあいだは食べようと思って冷凍庫から出したアイスクリームのことをすっかり忘れ
きちんときれいにぜんぶ溶かしてしまいました、、、。


かなしかった、、、。


溶けてしまったレモンシャーベット、
あなたはほんとはどんな味だったの?


………。


とりあえず、明日
わたしが不安発作や対人恐怖や混乱やパニックにおそわれることなく
勤務先にたどり着けるように祈ってくれるやさしいひとがいましたら、
投票ぼたんをぽちんとひとつ、わたしにください………(しくしく)



このように、繊細で病気がちと思わせながら
実は「かなり」まぬけな日々をおくるまなほ

2002年7月29日から30日に、よろよろと綴りつつ。


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