『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2002年04月11日(木) ロリータ、病気にケンカを売る。

うちにいるときの睡眠時間は長い。
すごく長い。
外で働いて、学んでくたびれてくるあの人にもこの人にも
どの人にも申し訳なくなってごめんなさいと言うくらい
何もしないでだらだら眠っている。
食べるとかトイレに行くとか水を飲むとか電話に出るとか
およそ全部の予定をキャンセルしてじっとしている。
目を覚ましたくない。
この四日間で体重は2キロ落ちた。

たまには外に行く。

出かける前、あたしは必ず武装する。


捜し歩いてみつけたガーネットのブレスレット。
手首にぐるぐる巻ける、まっかな色がほしいの。
そう言って去年の夏と秋にたくさんの場所を探して歩いたブレスレット。
居合わせたでかうささん(あたしの相棒)は、
数珠みたいだねえと笑って念仏を唱えるまねをした。

それにただのビーズのブレスレットを、たくさん。
じゃらじゃら適当にひろってつける。
最低5本。

十字架の形をしたネックレス。
ゴシックロリータ風と自分で勝手に思い込んでいる、装飾的な
藍色な楕円形の石の中に、またうっすら十字架が浮かんでる
アンティーク調の黒っぽい金のネックレス。ただしすごく安いけど。

帽子。
夏も冬も、いつでも帽子。

ヒカリモノは大嫌いだったけど
今はいろんなものをつける。
耳に湿疹が出ているからイヤリングはあんまりしない。
指も病気のおかげで変形しているからあんまり指輪はしない。
ネックレスをすると首の皮膚がやわなので切れて血を出す。
脱ぎ捨てたお洋服の襟には血がにじんでる。


小さい頃から男の子になりたかった。
演劇部では男の子役ばかりやった。それから死ぬ役。
身長は小さいくせにおっぱいが大きいのがいやだった。
どうしようもないことなんだけどね、だって遺伝だもん。

そうやってあたしは
女の子を捨ててきた。

ごめんね、あなたはたしかに生きてたのに
捨ててきちゃった。

こころが病気にかかってきてから
あたしのワードローブはぐちゃぐちゃになった。
嫌いぬいてきたふわふわのスカートもきれいな色のワンピースも
どうしてもほしくなってしまったものは貯金を切り崩しても手に入れる。
肌はぼろぼろで変色しているしお化粧もできやしないし
かわいい服なんて似合うわけがない、だけど。

だけど、気を抜いた服はあたしを守ってくれない。
そうしてあるときはっきり意識した。


お洋服は戦闘服だ。


あたしはロリータじゃない。
嶽本野ばらもきらいだ。
興味本位で見てたたくさんの女の子たち、
だけど彼女たちの言葉のひとつがあたしをヒットした。
お洋服は戦闘服だと彼女達もおもってる。あたしとおなじ。
あたしもおなじ。

ミニスカートもドロワーズもパニエもないあたしの
世界の終わりという名の雑貨店。


病気にはケンカを売ろう。




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