酉年生まれの女の子は羽重ねと言って、衣装持ちになると言われている。 つまり来年の年女。けれどアタシにはべべがない。殊にこの冬は一着も…(涙)
友人の知人が招待状をくれたので、某洋服ブランドの社販を見に、原宿へ出かけた。 最近、太ってきたあまり手持ちの服が入らなくなったことは、既にご存知のとおり。 特に先日、コートがきつくて、通院の際に着て行くものの予定変更を余儀なくされてから いよいよ最小限の衣服を買い整えなければならないと、今回切羽詰っての買い物である。 通常販売価格の3〜5掛で買えるとあって、何はさておいてもこの冬のコートだ。
竹下通りを迂回し、駅から10分ほど歩いて会場に着くまでに、目的地方向からやってくる 大きな袋を提げた人々と何度も行き交う。へぇ、みんなあんなに買ったんだ?
入口で招待状を回収され、くたびれたどでかいビニールの手提げ袋を渡された。 予想通りの大変な混雑の中、そこいらで試着しまくる女性の群れを掻き分けて コートのコーナーへ向かったが、通り抜けもままならない人口密度にはやうんざり(´ヘ`;) 「暑い〜。ねえ、買うものをこの袋に入れてけばいいの?」 『ああ、そんなにたたまないでいいから、丸めてどんどんぶち込むんだよ。 何だ、お前バーゲン慣れしてないな?』 「うん、バーゲンって生まれて初めて。だっておばちゃん達が必死の形相で 一枚の服をド迫力で引っ張り合うイメージがあったから、今まで敬遠しててさ…」
伴って来た元洋服屋の友人に助言されながら、これはと思うものをハンガーから抜き 一着一着羽織ってみる。そこで愕然。Mは勿論、Lサイズがきついのだ…)゚0゚(ヒィィィィ! 『お、それかっこいいじゃん』 「あの… でもちょっときつい… 肩の辺りが…(ToT)」 『・・・まぢ?Lで?』
これはマズイよ。由々しきことよ。もしかしてここにアタシの着られるものはないワケ? 「あっこれすごいステキ♪着てみよっと♪」 『あの〜。ちょっと… この辺(ウエスト)がパンパンだけど…』 「げげ!やっぱり?(ToT)」 なんでやねん。。。昔は5号ですら入ったのに。。。
あれこれ脱いだり着たりしているうちに、最初はオズオズ遠慮しながらだったのが 次第に大胆なとっかえひっかえが出来るようになってきた。やっぱりアタシも女なんだ(汗) 混ぜくり返した挙句、レッキスラビット毛皮の洒落たハーフコートを見つけた。 おお!これが噂のレッキスの手触り!色と言い光沢と言い、やっぱり違う! 何がって、うちの紋次郎のショボい毛並みとはまるで違うのよ!(もん、ごめん) 「あっピッタリだ!しかもこの値段!これアタシのーー!」 ベージュと黒の色違いで同じ形の毛皮を2着、ほくほくと袋に詰め込む。
『そんな慌ててしまわなくたって、LLなんか誰も取りゃしないよ…』 何だと?でもそう言われてみれば、客層は細身の女の子が目立つような(-_-;) 『それにお前、うさぎ飼いのくせに、うさぎの毛皮なんか買っていいのか?』 ・・・・・・Σ( ̄ロ ̄;) そっそれとこれとは… 私は鬼畜なのだろうか?
黒い別珍のロングコートは少しきつめだったが型に惚れ込み、このくらい痩せてやるわいと 悲壮な決意で袋に入れようとすると、店員がツイードのコートに値引きシールを貼っている。 「すみませ〜ん♪これにも貼って下さ〜〜〜〜い♪」 『あっ、それは今、店舗展開中の1点しかないものなので、ちょっと…』 「だめ?じゃあこれは、この値札通りってこと?」 『いいえ、そのお値段の60%引きになります』 「あそう?そんなら買う♪(゚∀゚)v」
その日は結局、たった35,000円で、コートばかり4着もゲットしたのだった。 一番嬉しかったのは、ラクーンの毛をフサフサあしらった89,000円のメンズブルゾンが 大破格の3,000円で買えたこと。因みにこれはSサイズですよ(^_^;) 男ものだから…。 いやぁ、良いものを安く買えるって、本当に何て素晴らしいことなのでしょう。 車で来ていたら、勢いでこの倍の量を買い込んでいたかも知れない。危ない危ない。
帰り道ふと、バーゲン会場に居た間に、完全な別人格と化していた自分を思った。
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