みちる草紙

2004年12月18日(土) バーゲン初体験記

酉年生まれの女の子は羽重ねと言って、衣装持ちになると言われている。
つまり来年の年女。けれどアタシにはべべがない。殊にこの冬は一着も…(涙)

友人の知人が招待状をくれたので、某洋服ブランドの社販を見に、原宿へ出かけた。
最近、太ってきたあまり手持ちの服が入らなくなったことは、既にご存知のとおり。
特に先日、コートがきつくて、通院の際に着て行くものの予定変更を余儀なくされてから
いよいよ最小限の衣服を買い整えなければならないと、今回切羽詰っての買い物である。
通常販売価格の3〜5掛で買えるとあって、何はさておいてもこの冬のコートだ。

竹下通りを迂回し、駅から10分ほど歩いて会場に着くまでに、目的地方向からやってくる
大きな袋を提げた人々と何度も行き交う。へぇ、みんなあんなに買ったんだ?

入口で招待状を回収され、くたびれたどでかいビニールの手提げ袋を渡された。
予想通りの大変な混雑の中、そこいらで試着しまくる女性の群れを掻き分けて
コートのコーナーへ向かったが、通り抜けもままならない人口密度にはやうんざり(´ヘ`;)
「暑い〜。ねえ、買うものをこの袋に入れてけばいいの?」
『ああ、そんなにたたまないでいいから、丸めてどんどんぶち込むんだよ。
 何だ、お前バーゲン慣れしてないな?』
「うん、バーゲンって生まれて初めて。だっておばちゃん達が必死の形相で
 一枚の服をド迫力で引っ張り合うイメージがあったから、今まで敬遠しててさ…」

伴って来た元洋服屋の友人に助言されながら、これはと思うものをハンガーから抜き
一着一着羽織ってみる。そこで愕然。Mは勿論、Lサイズがきついのだ…)゚0゚(ヒィィィィ!
『お、それかっこいいじゃん』
「あの… でもちょっときつい… 肩の辺りが…(ToT)」
『・・・まぢ?Lで?』

これはマズイよ。由々しきことよ。もしかしてここにアタシの着られるものはないワケ?
「あっこれすごいステキ♪着てみよっと♪」
『あの〜。ちょっと… この辺(ウエスト)がパンパンだけど…』
「げげ!やっぱり?(ToT)」
なんでやねん。。。昔は5号ですら入ったのに。。。

あれこれ脱いだり着たりしているうちに、最初はオズオズ遠慮しながらだったのが
次第に大胆なとっかえひっかえが出来るようになってきた。やっぱりアタシも女なんだ(汗)
混ぜくり返した挙句、レッキスラビット毛皮の洒落たハーフコートを見つけた。
おお!これが噂のレッキスの手触り!色と言い光沢と言い、やっぱり違う!
何がって、うちの紋次郎のショボい毛並みとはまるで違うのよ!(もん、ごめん)
「あっピッタリだ!しかもこの値段!これアタシのーー!」
ベージュと黒の色違いで同じ形の毛皮を2着、ほくほくと袋に詰め込む。

『そんな慌ててしまわなくたって、LLなんか誰も取りゃしないよ…』
何だと?でもそう言われてみれば、客層は細身の女の子が目立つような(-_-;)
『それにお前、うさぎ飼いのくせに、うさぎの毛皮なんか買っていいのか?』
・・・・・・Σ( ̄ロ ̄;) そっそれとこれとは… 私は鬼畜なのだろうか?

黒い別珍のロングコートは少しきつめだったが型に惚れ込み、このくらい痩せてやるわいと
悲壮な決意で袋に入れようとすると、店員がツイードのコートに値引きシールを貼っている。
「すみませ〜ん♪これにも貼って下さ〜〜〜〜い♪」
『あっ、それは今、店舗展開中の1点しかないものなので、ちょっと…』
「だめ?じゃあこれは、この値札通りってこと?」
『いいえ、そのお値段の60%引きになります』
「あそう?そんなら買う♪(゚∀゚)v」

その日は結局、たった35,000円で、コートばかり4着もゲットしたのだった。
一番嬉しかったのは、ラクーンの毛をフサフサあしらった89,000円のメンズブルゾンが
大破格の3,000円で買えたこと。因みにこれはSサイズですよ(^_^;) 男ものだから…。
いやぁ、良いものを安く買えるって、本当に何て素晴らしいことなのでしょう。
車で来ていたら、勢いでこの倍の量を買い込んでいたかも知れない。危ない危ない。

帰り道ふと、バーゲン会場に居た間に、完全な別人格と化していた自分を思った。


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