夕食を終えて、テレビを点けたら“戦場のピアニスト”という映画を放映していた。 もともと映画は好きだが、どちらかと言えばクラシック寄りな方で、最近の映画は あまり興味がなく、殆ど観ていない。よって若手ハリウッド俳優の名も碌に知らない。 そもそも、ボキャ貧配給会社が適当につける、邦題の絶望的なセンスが 或いは食わず嫌いの原因かも知れぬ。 大体“何とかのピアニスト”というタイトルのものが複数あってどれがどれやら、みたいな。
本作は監督がロマン・ポランスキーだというので、先ず連想してしまうのは 確かアタシが生まれた年に起きた、シャロン・テイト(女優、彼の妻)惨殺事件である。 ポランスキーの手がけた作品のタイトルは知っているが、1作も観たことはなかった。 今日も終いの方しか観ていないため、精々ホロコースト映画なのか?ということしか 分からなかったが、青白いポーランド人青年シュピルマンが、ゲシュタポの迫害を逃れ 廃墟に残った食料を漁りながら逃げ隠れ惑う姿が、先日昼寝中に見た悪夢と重なり ハラハラと息詰まるような気持ちで成り行きを追った。
印象に残ったのは、一流ピアニストとしての貴公子然と澄ましたシュピルマンと 飢えと恐怖によって餓鬼のような乞食と化した、浅ましい姿のシュピルマンとの イメージのギャップ。 彼に情けをかけた奇特なドイツ人将校は、恩返しの期待空しく、戦後戦犯収容所で死に 将校に救われたシュピルマンは、その後50年余りを生き天寿を全うしたということ。 しかし、やはりどうも全編を通して観ないことには、感想らしい感想は述べられない。 DVDを買ってまで観たいという作品でもないが、近所にレンタル屋がないので 2時間半をノーカットで観る機会が、果してあるかどうか…。
同様に、消化不良の心残りのある映画に、アンジェイ・ワイダ監督の“悪霊”がある。 これは、ドストエフスキーの原作を読んだのが後だったために、映画を先ず観た時は 登場人物同士の絡みや複雑なストーリーが、今ひとつよく飲み込めなかった。 これは多分に、当時の知的成熟度や考証の未熟さもあるだろう(未だにそうだけど)。 原作の長編を読了後、それぞれのシーンを思い出しては改めて意味を理解したので 是非もう一度最初から観直してみたいのだが、これも機会を逸したままに十数年が経過…。
BSの受信契約をした方が早いかもな〜(^_^;)
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