みちる草紙

2002年10月11日(金) 天網恢恢

随想・みちる草紙をある日ふと書き始めてから、はや1年の歳月が…(-。-;)
当初は三日坊主に終わる懸念もしたのに“ALL_LIST”で全タイトルを並べてみると
ズラリなかなか壮観。結構書いたじゃん、うーむ塵も積もればだなぁと自分で感心する。
しかし、もともと気が向いた時しか書かなかったにせよ、4月あたりからめっきり
アップ数が減り、9月に至ってはたった1日…。4月と言えばアタシが今の会社に
入社した月である。そして、以後は殆どが会社ネタ。これは偶然でも何でもない。
4月からのアタシには、自宅⇔会社の毎日しかなかった…。・゚゚・(T◇T)・゚゚・。

9日に同僚Tと烈しく衝突した。10日の冷戦を挟んで今日、波動砲発射!!
どうぞ「めいこよ、またか」などと冷たく言わないで欲しい。事ここに至った経路には
アタシの苦渋と忍耐に縁取られた痛恨の日々(←やや大袈裟)が刻まれている。
到底抱えきれない量の仕事をたった一人で担わされ、そのストレスは生半可ではなかった。
連日の過酷な残業に耐え、熱を出してもあえて欠勤することなく、与えられた任務は
食事や睡眠をへずってもこなさねばならず、それこそ骨身を削ぐようにして誠実に
(ぶぅぶぅ文句はタレたが)働いてきたつもりである。なのに…あの野郎…!!
Tの無茶苦茶な指示に、アタシが血を吐くような咳をしながら、それでも机に張り付いて
こつこつ仕上げているのを知りつつ、ひとかけらの情けも見せようとはしなかった。
その挙句、立っているのがやっとのアタシに、更なる残業命令を平然と下したのだった。

高熱にあえぎ精根尽き果て、アタシは同僚Tに三行半を突きつけたあと
日頃から親しくしている女性サイエンティストに電話して、ことの次第を話した。
彼女には恩義を感じる場面が多々あったので、先に挨拶しておかねばと思ったためである。
「これ以上Tさんと一緒に仕事をしろと言われるなら、こんにちこの場限りで辞めます」
そこから事態は急変し、半分虚脱状態でぐったりオフィスに戻ったアタシは、出し抜けに
社内体制の大幅改編を知らされることとなる。

実際にアタシがこれまで任されていたのは、社長秘書としての仕事の他に
2社分の管理(経理、総務人事、コンサル事業)なのだが、特にこの地獄の一週間は
全ての〆切が集中した3本立ての事業諸申請手続きと、決算期の会計資料作成で忙殺。
Tは、実にその9割をアタシ一人に回し、もう限界だと幾ら訴えてもそっぽを向き
『休み明け15日にあれとそれの予約を入れて、今日資料を全部完成させておいて下さい。
 それと今からこれに行ったあと、法務局へ行って○○をして来て下さい』
と矢継ぎ早に指示を下し、唖然としているアタシに『分かりましたか』とダメ押し。
Tはアタシが熱があるのを知っている。顔に書類を叩きつけてやりたかった。

それは晴天の霹靂だった。
社長からの通達は、今後めい子はTと離れ、本来の秘書業に専念せよとのことであった。
アタシの辞意を聞くと同時にTは社長にそれを報告し、社長は直ぐさまサイエンティストに
電話してアタシの説得を指示したのだと、あとになって彼女から聞いた。

『私が社長に、めい子さんがどんなに沢山の仕事をたった一人でこなしているか
 ご存知ですよね?と訊いたら「オーバーワークは知ってる。悪かったと思ってる」
 と社長は答えて、Tさんには
「きみが原因でめい子さんが辞めると言うのなら、僕は彼女を引きとめて
 きみを切るからね」と言ったそうですよ。だから辞めちゃだめですよ』

それを聞いて、涙がどっと迸った。
果してTは社に戻るや、掌を返したようにアタシを優しく労わるのであった。

社長がハーレムパーティーを開くというので、週明け仕事の第一号は会場の予約である。


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