みちる草紙

2002年02月01日(金) ジャンヌ・ダルク

不覚にもこたつでスヤスヤ眠り込み、最初の30分ほど見逃してしまった。
まぁ、いまどきの映画だし、内容は別に期待もしてなかったからいいけどさ(-_-;)
「例えばロールプレイングゲームって、こんな感じのもの?」という仕上がりである。

       

現代の「いのちをたいせつにしよう」的こうるさいヒューマニズムや倫理観念が
入り込み過ぎ、甚だ興を殺ぐ。登場人物は多いが、皆影が薄く印象に残らないし
戦闘シーン以外は特に見どころもない。ジャンヌは現代っ子みたいにヒステリーで
始終ごちゃごちゃブツブツ。押し問答好きの悪魔が登場するところも漫画っぽい。
そしてあれよと言う間にドタバタ駆け足の火刑で終り。何だったんだ(・_・?)これ。
致命的なのは、主演のミラ・ジョヴォヴィッチが美しくなさ過ぎる点であった。
名優ダスティン・ホフマンも、今更こんな下らない役(屁理屈悪魔)とはなぁ…。

名高いオルレアンの聖処女のドラマティックな生涯は、過去に幾度となく映画化され
そのまたリメイクを繰り返されている。昔、I.バーグマンの“ジャンヌ・ダーク”と
無名女優(←素人とも。名は忘れた)の“ジャンヌ・ダルク裁判”を観たことがある。
バーグマンのジャンヌは、恐らく理想化の極みで描かれていたのだろうが
構成が分かり易く神秘性も損なわれず、胸を打つ物語に仕上がっていたと思う。
後者は、主に裁判でのジャンヌの答申に焦点をおき、淡々とした展開でありながら
実録映画を観るようなリアリティがあり、モノクロ画面も想像力を掻きたてた。

サンドリーヌ・ボネールも確か“ジャンヌ”という映画で、やはりジャンヌ・ダルクを
演じていたと思うが、所詮これも近年の作品だし、観る値打ちがあるのかどうか。
映画の黄金時代も今は昔、いよいよ氷河期を迎えてしまった感がある。


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