2006年05月01日(月) |
「かんかん橋をわたって」ファイナル |
最初は一風変わった嫁姑モノかと思っていたら、 途中からSFの様相を呈してきた 「かんかん橋をわたって」(草野誼さん)が終了しました。
集英社の穏健なレディコミ誌「YOU」に 不定期連載されていて、 そのうちテレビドラマ化とかされちゃうんだろうかと読んでいたら、 (もちろん、「あんまりしてほしくない」という気持ちで) 途中から「これはまずかろう」という設定になってきて、 むしろ、ドラマ化するようなチャレンジャーを 待望するようにさえなりました。
ストーリーをかいつまんでいえば、 同じ町内の、橋1本隔てた地区に嫁いだ主人公「萌」が、 優しい夫、見習うべき姑不二子、気弱な舅、使えない小姑と5人、 それなりに楽しく生活していたが、 なぜだが、優しかったはずの不二子が陰湿ないじめを始める。 萌はそれを夫に打ち明けることもできずにいると、 「あなたはこの地区の嫁姑番付4位だ」と 突然見知らぬ女に言われ、 はぁ?何だそりゃとなるが、 同じように嫁姑問題で悩む嫁たちと知り合っていき、 その実態を探っていくうちに、 おぞましい現実に出くわす……てなふうです。
父親の死に目にあえないような嫌がらせをされた萌が、 なんで「4位」という中途半端な順位だったのかは、 終盤で何となくわかるのですが、 まず、輝かしい?「1位嫁」にたどりつくまでが 結構ハードで、 その上、1位嫁出現以降がもうドロドロ状態。 序盤の不二子の嫌がらせがかわいく思えてくるほどです。 (一応、意図があっての嫌がらせだったのですが)
コミックは出ているようなので、 興味のある方はぜひどうぞ。 最初のうちは、萌が自家製の「ゆべし」をつくったり、 マニアックな設定もあるので、 前作(といってよければ)「ガレージママ」みたいな ちょっとコアな蘊蓄が出てくるのかと思っていましたが、 「それどころじゃない」って感じでした。
ただ、全部読み終わって、一番最初に浮かんだ言葉はですね、 「『トゥルーマン・ショー』みたい」でした。 1位嫁の幼なじみに医者がいて、別に問題診療をするでなく、 いかにも責任感ある若先生って風情ではあるのですが、 さまざまな設定を考えていくと、 医師免許を本当に持っていたのかどうかが 疑わしくなるのです。
好みの問題もあるし、賛否両論ありましょうが、 二度と読めない価値ある作品として挙げて 差し支えない気がします。
|