2006年02月10日(金) |
ビデオ鑑賞「二〇〇X年四月一日、禁洒法ヲ施行スル。」 |
漫才でもコントでも 独特の魅力を発揮する5人組ザ・プラン9の 2004年4月の舞台をソフト化したもので、 私はたまたまVHSで見ましたが、 もちろん、DVDもあります。
多分、勘違いしたのは自分だけじゃないと思いますが、 このタイトル、 アル・カポネやりたい放題時代の アメリカでおなじみの「禁酒法 きんしゅほう」ではなくて、 「禁洒法 きんしゃほう」なのでした。
子供向きのヒーロー戦隊ものをベースとした 駄洒落満載の舞台を企画する4人の男。 (浅越ゴエ、鈴木、なだぎ、ヤナギブソン) 明日は公演という日、稽古場に、 「翌4月1日より禁洒法を施行する」という通知が舞い込む。 当然、パッと見の字面で「禁酒法」と思い込み、 メンバーに酒好きは1人いるが、 それほど重要なこととはとらえない。 そこに、役人風の男・秋鹿(お〜い!久馬)がやってきて、 「禁洒法施行により駄洒落禁止」を告知する。 駄洒落に代表されるような 無駄なものはこの世から消し去ろうという意図らしい。
駄洒落抜きで舞台を成立させようと、 設定をあれこれ変えてみるが、 どれもしっくりこない。 一旦その場を去った秋鹿が舞い戻ってきて、 「日付が変わるまで、これで遊んだらどうだ」と 駄洒落ゲームのカードが入った箱を置いていく。 やぶれかぶれになって、駄洒落ゲームに興じる4人。 (要するに、ここだけ大喜利になっていました) そのまま眠り、朝を迎えると、 4人の首もとには、チョーカー状のあやしげなものが巻き付けられ、 取ることもできない。 どうやら、駄洒落を言うたびに電流が流れ、 余りにも連発すると、そのままちゅどーんということらしい。
進退きわまった4人の運命は? そして、秋鹿のあのうさんくささは一体?
笑えることは笑えるし、メッセージ性も強いのですが、 駄洒落禁止の恐怖政治!?というシチュエーションより、 まさに本当の「オチ」が恐ろしく、 いい意味でやなもんみちゃった気になりました。 設定上、ところどころねちっこいい演出になったのが残念ですが、 なかなかウエルメイドな舞台だと思います。
この人たちのネタは、余り本数を見ていないのですが、 数少ない鑑賞の印象ながら、 マイペースっぽい久馬さんのファンでした。 が、このブラックな脚本を書いたのが、 ほかならぬ久馬さんと知り、 少し考え込んでしまいました。 人間の何かと極端な面を味わえる一編です。
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