2006年02月12日(日) |
ペンだこの中には何がある? |
大昔見たドラマ「池中玄太80キロ」の中で、 記者役の坂口良子が、ある怖い顔の人に、 職業を偽るか何かして接近し、 こっそり取材するというようなエピソードがありました。 彼女は、その美しい指先にできたペンだこによって、 職業がバレてしまうのでした。
その後何年かして、速記者の養成所時代でしたが、 2年先輩に当たる研修生(彫り深美人)が、 何かのバラエティ番組の職業当てクイズコーナーに 素人ゲストとして出演したときのことです。 タレントやら文化人やら 解答者が3〜4人いたと記憶していますが、 1人が、彼女のペンだこに着目しました。 が、結果的には「行政書士」だったか何かか答えて不正解。 結局、「そっきをするひと」と、全部平仮名で書いた 若い女性タレントが1人いて、 お見事正解というエンディングとなったと記憶しています。
そして今朝、何十回目見てんだよと突っ込まれそうですが 小林賢太郎プロデュース♯4「LENS」の冒頭、 書生の天城茎太郎(小林)が駒形警部(大森南朋)の素性を 瞬時に見破ってしまうというシーンで、 次のような、こんなやりとりがありました。
天「靴がすり減っています(から刑事です)」 駒「金がないだけかもしれない」 天「金のない奴は、メニューを見ずにミルクティーは頼まない」 駒「新聞記者(歩き回る仕事)かもしれない」 天「ペンだこがない」
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ペンだこに関しては、かねてより疑問が二つありました。
(1)そもそもこれって何さ?何でできちゃうわけ? そして消えないわけ? (2)人は人の指先を、なぜにそんなに見る?
実は、私の右手中指にもペンだこがあります。 といっても、熱心に勉強をした勲章ではなくて、 高校時代、新聞部で駄文を書き散らしたときに土台ができ、 2年間の養成所生活ですっかり固まり、 その後、3年弱の議会の仕事で定着させてしまったようです。 今は、仕事といっても入力が中心だし、 ちょっと思いついたことをメモすることがあったとしても、 以前ほど大量の字を書いているわけではありません。 指にできるたこの原因は、何もペン筆記だけではありませんが、 非常に気になります。
そして、うちには受験生の娘がおります。 私は実は、娘を深く愛しております。 ぜひとも志望校に入学してほしいものだと思いつつ、 勉強のし過ぎで体を壊しやしないかと気を揉み、 夜食は胃にもたれるだけだから、基本的につくらないものの、 「私はきっと、毎晩クラスの誰よりも おいしいココアを飲んでるわ。ママ、いつもありがとう」 という娘の言葉に目を細めつつ、 寒い台所でミルクパンをかき回しております。 注・娘のキャラは、大分変えてあります。 またココアも、自分も飲みたいから作っているだけだったりします。 何かこう、憧れるよねぇ。NHK第一の朝の番組に投稿する人っぽい生活にさぁ。 そんなに愛情深く心優しい賢母である私でも、 娘の指先をマジマジ見ることはありません。 ぶっちゃけ、ペンだここそが勉強量のバロメーターという発想は、 まことにバカくさいと思うし、 そんなわけのわからないものが、 あのラブリーしんりー(仮名)の指先にできていたら、 涙が出てきそうな気がします。
このパソコン中心といっても過言でない世の中で、 ある程度の年齢や職歴を持つ人ならともかく、 現在、ペンだこが新規でできちゃう人というのは、 いるものなのでしょうか。 そういえば、実態は全くわからないけれど、 キーボードだことやらもあるとか。 も〜、わけわかりません。
以前、左利きの人が運営しているサイトで、 「ミステリーを読んでいると、わざとらしい伏線があって、 「わかった。犯人は左利きだ」というベタな展開があるけど、 いいかげんにしてほしい」 という趣旨の一文を読んだことがあります。 そのうちペンだこも、同じような運命をたどるかもしれませんね。 「犯人の指先にペンだこ……(それをよく見てたな) ということは、 容疑者の中では作家の○○と記者の△△がくさい。 しかし○○にはアリバイが…」 みたいな。 ……一行たりとも読む気のしない小説です。
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