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■ 光る貝殻
=光る貝殻=
何もしたくない夜はある。ワックスで固めた髪が油と汗と混じってくぐちゃぐちゃになっていても、欠けた爪が服にひっかかったとしても、どうしようもない夜がある。何かをしようとする姿勢に対して、自分自身の弱い制約をかけて、こめかみを押さえてる。しなければいけないことを正面から見据えることができなくなったとき、居心地の悪さと、癒されない疲労が身体の芯に残ってしまう。文章を書こう書こう、とするほど、頭痛はひどくなってくる。三日月が雲に隠れたら、布団に潜ろう。眠れないとしても、何も考えることができないとしても、布団をかぶってしまおう。ベッドの中で、両足を腕で抱きかかえて、膝の間に頭を収納して、泣きたくないのに泣いているふりをしてみるんだ。ひどくひどく、逃げたくなったとき、自分の殻にすっぽりと閉じこもってしまうんだ。
2004年03月26日(金)
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