カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 張りつめたモノが、またしぼむ

=張りつめたモノが、またしぼむ=

抱きしめて押し倒したまではいいんだけど、本当に頭が真っ白になってしまい、今まで頭に描いてたことがなくなり、それから先何をしていいか分からなくなって、俺はその体のぬくもりを感じながら、時間が止まったような感覚に酔いながら、別に何をしてもしなくても、俺は奈津が好きだし、奈津も俺のことが好きなのだったら、それだけでいいんじゃないかな、って考えることが出来る余裕が脳みその中に出来ていた。

=暗闇の真っ直中=

俺は結局のところ何を望んでいたのかというと、その女の子の友達に同情して欲しかったのだ。俺にはそれ以外の救いは見えていなかったし、いささか混乱と、疲労の真っ直中にいた。


2002年07月31日(水)
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