カエルと、ナマコと、水銀と
n.446



 浮遊隕石

=浮遊隕石=

会話が終わって笑いを止めてみると、グレープフルーツジュースに浮かぶ氷のような僕がいた。綺麗な柑橘系の色の液体に、固体で一つ。接しているはずなのに、不安定に浮かんでる。
少しずつ辺りの笑い声が遠退いていって、ノイズに変わって、また同じスピードで戻ってくる。
口を開いて、笑みを作る。日常。

=ガラスの萎縮=

ガラスに張ったガラスの生育した結晶が、太陽の光に見つかって溶かされていく。まるでそんな様子で、彼の才能を含めた全てが、萎んで行き、消えてしまった。


2002年04月10日(水)
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