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『ミルク』 大道珠貴 (中央公論新社) - 2004年10月27日(水)

ミルク
大道珠貴著出版社 中央公論新社発売日 2004.09価格  ¥ 1,575(¥ 1,500)ISBN  4120035689
「早くしないと、16のスリリングな夏はあっというまに終わるぞ」 仲良し女子高生4人組の友情と性の交錯を描く表題作ほか、もう少女じゃいられない、イマドキの少年少女の生をリアルに描く全7編の書き下ろし短編小説集。 [bk1の内容紹介]
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『しょっぱいドライブ』で芥川賞を受賞された大道さんの作品を初めて読んでみたが、肩透かしを喰らった感は否めない。

七編からなる書き下ろしの短編集である、いずれも10代女性が主人公。
イマドキの女の子をリアルに描いているつもりであろうが、ストーリーに緊張感がない。
もちろん、若い女性をターゲットとして書かれてるのであろう。
果たして本書を手に取る若い女性が共感出来るであろうか?
甚だ疑問が生じた1冊であった。

初めて読む作家って、ある種のイメージを持って読む方が大半である。
読んでみて予想以上に面白かったら嬉しいし、逆の場合は落胆する。
本作は後者に属する。

読者にテーマが伝わってこないのである。

ネットの素人の日常日記を読むのと対して差がないのではないか。
描き方がやはり中途半端に感じられるのである。
退廃的というより怠惰な感じかな。
あと性描写に頼りすぎだな。
やはり主人公達が若いのに溌剌としてない部分が大きいのであろう。
たとえ溌剌としてなくとも訴えるものが大きければいいのだが、本当に素人の日常の日記を読んでいるみたいである。
読後も全7編、これといって心に残った作品は皆無であった。

もしこの作品集を純文学というカテゴリーに当てはめるなら、やはり純文学は凋落したと言わざるを得ないかなと強く感じる。
少し皮肉な意見かもしれないが、逆に素人っぽい文章の作品を読まれたい方には恰好の一冊かもしれない。
でもやはり他の女性作家と比べたら確固たるセールスポイントはないなあとは思ったりしている。
ファンの方ごめんなさい。

仮に若い方の大部分ががこの作品を大絶賛されたら、私はきっとカルチャーショックに陥るであろう(笑)
そういう意味では読後の感想がどんなものであるかチャレンジしてほしいという気持ちはあるのだが・・・

評価5点

2004年97冊目


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