『人生劇場』 三浦しをん 新潮社 - 2004年08月09日(月)
普段ほとんどエッセイなるものを読まない私であるが、ふとしたきっかけで手にとった本書は本当に楽しめた。 世に天才ってやはりいたのだ。 ほとんどが4ページでまとめられてるのだが、起承転結のつけ方が絶品である。 物を書くために生まれてきたと言っても過言ではない天賦の才能を携えているしをんさん。 本当にこの方の文章は肩を凝らすことなしに読める。 とにかく発想が豊かでてらいのない素直な文体が、心地よく読者に伝わってくるのである。 主に週刊新潮に連載されてたものの単行本化であるが、ご存知の通り週刊新潮と言えば中高年のサラリーマンを対象としている。 これはもったいない[:読書:] というのは、きっと同年代の女性が美容院での待ち時間なんかに読まれたら本当に時の経つのも忘れて没頭できるであろうこと請け合いであるからだ。 ワールドカップネタが多く、ちょうど書かれていた時期がワールドカップの頃なんで今読んで懐かしさがこみあげて来る方が多いような気がする。 全体的にはそれぞれが妄想的な発想ではじまって巧くオチをつけている。 後日談(思い出ホロホロ)が本当にコミカルに書かれていて、より一層作者の賢明さを痛感させられたな。 読み終えてたとえ自分に胸毛がないのを悔やんだ男性読者ってきっと聡明な女性が大好きなんだろうな(詳しくは読んでのお楽しみということで) 彼女の感性の豊かさと柔軟な発想力は文壇を席捲することは間違いないことだと思う。 流行を追わないあなたも是非手にとって欲しいなと強く思ったりする。 本書を手にとれば人生を楽しく謳歌している姿がひしひしと伝わってくるであろう。 それだけど大きな収穫である[:拍手:] 次は小説だな[:ラブ:] 評価8点 2004年72冊目 (旧作・再読作品18冊目) ...
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