『ポリスマン』 永瀬隼介 幻冬舎 - 2004年02月20日(金) 《bk1へ》 《Amazonへ》 『永遠の咎』に続いて永瀬さんの作品は2作目であるが、本作もかなり熱い作品となっている。 今のプロレス界の現状を浮き彫りにした作品と言えそうですが、果たしてロシアでの出来事を交える必要があったのだろうか? 個人的にはあんまりロシアに興味がないので、もう少し違った展開を望みたかった。 深見の強さを際立たせるのには過去のいきさつを絡めなければ仕方がなかったのかもしれない。 たしかにノンフィクションライター出身の肩書きどおり、永瀬さんの取材力は舌を巻く、読み応えも十分である。 本作の主人公の深見のように、スターダムに昇らなくても実力は一級品なんでしょうね(笑) ラストは壮絶ですが、やはり格闘技シーン(暴力シーンと敢えて区別します)が1番印象的だったのは少し皮肉な結果かもしれない。 私は“格闘技シーン”はいいのですが“暴力シーン”はあんまり好きではありません。 本作では両方存分に味わえますが(笑) 正直、暴力シーンはちょっと辛すぎるかな。目を背けたくなるものね。 永瀬さんは血が繋がってないがゆえに葛藤している周作と深見の“強い親子愛”を描きたかったのでやむを得なかったのでしょうが・・・ 多少は伝わったのですがちょっと物足りない部分もあったような気もします。 二兎を追いすぎたのかもしれませんね。 “プロレス小説”としたら面白いが“スパイ小説”としたら中途半端な気がする。 “プロレスファン”は必読です! ただ、練習生の浮谷の存在は物語の視線を素人っぽくさせてくれて本当に良かったような気がしたが、少し苦言を呈すればやはりセルゲイが日本に来てからの行動が“飛躍しすぎてる”ような気がした。 浮谷を主人公としたもう少しサッパリした作品を読みたい方も多いんじゃないかなと思う。 かなりの好キャラですね。 評価7点。 2004年19冊目 (新作14冊目) ...
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