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『骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ』 石田衣良 文藝春秋 - 2004年02月16日(月)

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いよいよシリーズ第3弾に突入した。
文体にもますます慣れてきて読むのが楽しみになってきたところでもあるのだが、内容的には前2作に比べて少しトーンダウンしたような気がする。
マコトの成長とともに読者もマンネリ化してきたのかもしれない。
ただ、いつもうならされるのは発想の豊かさ。偽札にドラッグなどなど・・・
これは見事の一言に尽きる。きっと石田さんの天性のものなのでしょうね。

全4篇からなるがいずれにもタカシが登場するのがファンにとっては嬉しいところかな。
サルファンの私としたら登場が少なくって物足りなく感じたのは残念なところであるが・・・

個人的には2編目の「西一番街テイクアウト」が一番良かった。
親子愛があふれたかなり泣かせる話です。サルの登場によって一気に盛り上がる点は素晴らしい。
そうそう、マコトの母親も大活躍する点を忘れてはいけませんね(笑)

一番長い書き下ろしの「西口ミッドサマー狂乱」がマコトの恋愛熱が一気にヒートアップされて彼の熱血ファンには読みどころ満載であるが、他の話と比べて話が込み入っていてこのシリーズ独特の爽快さに欠けているような気がした。
トウコに惚れるマコトに惚れた女性ファンも多いのかもしれません。


確かにシリーズ3冊読んでみて、かなり池袋が身近に感じられてきたのは石田さんの確かな筆力なのであるが、このシリーズの大きな魅力はズバリ主人公マコトの“潔さ”に対する大きな共感にある。
読者が日常生活において忘れかけている部分を“目薬を点したかの如く”爽やかにスカッと味わせてくれる点は読んだものでないとわからないであろう。

老若男女に関わらず、“明日からはマコトのように胸を張って生きて行きたいものだ”と少しでも若者の心の底にある叫びを感じ取れた読者は、貴重な体験を味わえたと自負してよいであろう。

きっと他の本では味わえないはずだから・・・

評価7点。    
2004年18冊目 (旧作・再読作品5冊目)


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