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『蛇にピアス』 金原ひとみ 集英社 - 2004年02月07日(土)

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話題の最年少芥川賞受賞作である。かなり売れているらしい。
だが、どうしても芥川賞として読むと物足りない。
純文学としてこの作品を見た場合、やはり少し描写が赤裸々すぎるのかもしれない。
でも新人作家の作品としたら秀逸な作品とも言えそうだな。

彼女の傑出してる点はズバリ“目新しさ”である。

言葉自体本当に“新感覚”である。スプリットタンや00G・・・
まさについていけませんが(苦笑)。

だが、内容は読者によっては過激すぎるかも知れないが、文章は無駄がなく意外と読みやすいのである。

それは主人公ルイの性別・年齢を問わず共感出来るキャラに起因しそうだ。

今の時代にふさわしい若者の究極の“絶望感”と異性に対する“愛情”はなんとなく理解できた。
本作は“三角関係”をも題材としており、特に若い女性が読まれたら後半の展開に“胸が締めつけられる”かもしれません。
きっと、ルイが2人の若者から深く愛されたことは、読者の脳裡に焼き付いたはずである。

作者と同年代の若者が読まれたらまさに同世代の代弁者”としてのカリスマ的要素を持った人物として受け入れられるであろう。



芥川賞の選考委員に“先見の明”があったのだろうか?
その答えは金原さんの今後に掛かっている。
でも本作を読んで少しでもルイの“可愛らしさ”を見抜け共感出来た読者は、“文芸界自体の変貌”に気づいた貴重な目撃者である。

本作は普段あんまり小説を読まない方でも手に取られる方が多いと思う。
少しでも“若者の活字離れの歯止めになれば!”と思ってやみません。

評価7点。    
2004年13冊目 (新作11冊目)




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