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『汝の名 WOMAN』 明野照葉 中央公論新社 - 2003年11月21日(金)

明野照葉さん、初挑戦しました。
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本当に対照的な2人の女性(陶子と久恵)が登場するので男性読者は違和感を感じるかもしれません(笑)
女の情念というか容姿へのコンプレックス等に対する描写が凄いです。
途中で、亮介に心を奪われてからの2人の関係の変化と物語の展開は楽しかった。
男勝りの気性(陶子)なれど、本当に恋をする設定は女流作家らしいかな。

一方、女性が読まれたら生き方に対する価値観を学べる1冊だと言えるかも知れませんね。
いろんな意味で女性に自立心を促してる点は読み取れたような気がします。
必ずしも陶子の生き方が勝ち組ではないということなんでしょうね。

本作で出てくる(株)ESTの業務内容なんかは本当に実在してそうで怖いですね。
あと、薬物使用はもちろんのこと、久恵が老人を手玉に取る過程などはゾクゾクしますわ。
それにしても途中の展開は読めたのだが、ラストは読めなかった。
辛辣といえば辛辣すぎるのかもしれません(苦笑)

“女の人って大変なんだ”と認識を深めた1冊です。
海月ルイさんの『子盗り』なんかにも通じるものがありそうですね。
ただ、読後感は本作の方がずっといいです。
是非、狂気の世界を楽しんでください。

評価7点。



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