『恋愛寫眞 もうひとつの物語』 市川拓司 小学館 - 2003年08月28日(木) ストーリーがピュアだから読み手もピュアな気もちで読みたい作品だ。 市川拓司さんの作品は『いま、会いにゆきます』に続いて2冊目だが、本作も凄い。 恋愛の素晴らしさ・切なさを集約した物語である。 内容的には前作より単純かもしれないが、本作の方が若者向き(独身向き)というか青春小説的要素が強いような気がする。 でも彼のすごい所は若者のみならず“老若男女”が楽しめる所である。 典型的な恋愛小説なんだが、ジャンルにこだわらずに幅広い方から支持される内容である。 恋愛中のあなたはもちろんのこと普段、『恋愛小説はちょっと〜』と思っているあなたにも是非読んでもらいたい小説だ。 自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先させれるところは学ぶべき点である。 読後はきっと恋愛中のあなたはきっと今以上に相手を大切にすることが出来るであろうし、恋愛してない方(出来ない方も含む)も実生活にて必ず生かせると信じたい。 まるで市川さんの小説の世界は読者をまるで子供が遊園地で乗り物に熱中しているみたいな感覚にさせてくれる。 まさに陶酔するという言葉がピッタシだ。 私も静流に陶酔してしまった。 きっと市川さんの理想の女性なんだろう。 そうでなければこんな話書けないなあって率直に思う。 “愛する人の死”というテーマで書かせたらこの人の右に出る人はいないんじゃないかなあ。 誠人はきっと静流が愛した以上に彼女を愛していたのだと信じていたい。 読み終えた後『どうしてひとつひとつのシーンが読者の目に妬き付いて離れないのだろうか?』という疑問が湧いた。 ひとつは無駄のない文章に尽きると思う。 スッキリしていて清々しい。 あと、市川さんの魅力はなんと言っても“会話の面白さ”と“比喩表現の巧さ”だと思う。 作中で取り上げられた映画や小説、見たり読んだりしたくなったのは私だけじゃないはずです。 さっそく、『恋しくて』借りてきました(笑) 恋愛小説のレビューを書くのは苦手だ。 私のレビューはありきたりだが(笑)、小説はダイアモンドのようにキラキラ輝いていることだけは伝えたいと思う。 たとえふたりが離れ離れになっても・・・ 評価8点。 ...
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