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『暗黒童話』 乙一 集英社 - 2003年06月27日(金)

ある日、私は片目を失った。そして、その日までの記憶も・・・。
祖父のはからいで眼球移植を受けた私の頭に、時折激しい痛みと共に見知らぬ映像がよぎる。
その映像の源を求めて旅に出た私は・・・。
ノベルズ版帯より


かなりグロテスクな猟奇的な話なんで、通常の“せつない話”を期待される方には驚かれるでしょう。心して読んでください。
ジャンル的にはSFホラーに分類されるのでしょうね。
ホラー好きな人にはいいでしょうが、ホラー嫌いの人にはあんまりオススメ出来る作品じゃないかもしれません。
でも私が完読出来たからそんなこと懸念する事もないかもね(^○^)
しかし、自由奔放に書いた作品なんで乙一さん自身は満足度の高い作品だと思ったりしますがどうでしょうか。

作品の中の童話(『アイのメモリー』)の方が話として面白かったのは残念です。そのために本体の話が霞んでるような気もした。
あと印象に残ってるのは、手術前と比べて変わり果てた菜深に対する親(特に母親)の変貌振りが寂しい気持ちを増殖させました。
ただ、ミステリー度も多少あってその側面から見たら読み応えあるかもしれません。読んでのお楽しみと言う事で・・・

でも泣けるような話を書いて欲しいと痛感した1冊でもあります。

評価6点。


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